過去ログ - 咲「きょ、京ちゃんと安価で!」京太郎「……ぐだぐだするか」【5スレ目】
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445:>>443 男の娘咲ちゃん?(錯乱) ◆hruklyol.U[saga]
2013/02/12(火) 22:31:41.58 ID:JzNZ37LQ0

「ひゃうっ。京ちゃん……?」


薄明かりは相も変わらず室内に差し込み続けているはずだが、咲の視界は真っ暗だった。
京太郎の様子を窺おうにも身動きが取れない。
はて、これはいったいどうしたことだろう。
数瞬考えてのち、鼻先をかすめた匂いに咲は納得した。


「さき、さきっ」


京ちゃんの匂いだ。
ああなるほど、私、京ちゃんに抱きしめられてるんだ。

現実を認識した瞬間、咲の胸中に広がったのは、羞恥でも狼狽でも、色情でさえもなかった。


(あったかい)


安らぎだった。
母の胎内でたゆたうような、途方もない安らぎだけがそこにあった。
力強い腕のしなりから感じるのは、ドキドキよりもぽかぽかだった。


「さき、さきさきさき、さきぃ」


再び京太郎の二の腕に縋りつく。
パジャマの布の余った部分を、両手の親指と人差し指でちょこんとつまむ。
そうして少しだけ、大好きなあたたかさを胸の内に抱き寄せる。

あたたかい。
鼻孔をくすぐる香りがあたたかい。
耳朶をかすめる呟きがあたたかい。
この狭い空間で、京太郎と共有している空気が、酸素があたたかい。

このままどこまでも落ちていけそうだ。
そんな気分にぐいと首根っこを引っ掴まれて、咲はすうっと瞼を閉じる。



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