過去ログ - 【安価】インデックス「フィアンマのばか」フィアンマ「…拗ねるな」
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792: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/02/16(土) 20:22:25.42 ID:nnduSmh10

「やはり、殺せない」

懐にあるナイフが、ずっしり重く感じられた。
この世界の上条当麻も、特別な右手を除けば普通の少年だ。
ナイフを何度も刺されれば死ぬ。そして、その罪はこの世界の右方のフィアンマへ押し付けられる。
だが、例え別人だとしても、自分と仲が良くなくても、この子だって、上条当麻なんだ。

『ひくっ、えぐっ、な、ないてないもん!』
『おにーちゃん、あれなんていうものなの?』
『お、おれ、いやなんだ、おにーちゃんがしぬのは、しんでもいやなんだ』
『へ、えへへ。むじゅん、してる、な』
『、…うん。……でも、しんゆうできなくても、おにーちゃんがおれのしんゆうだからだいじょうぶ。だろ?』

殺せない。
別人だと、頭ではわかっていても。
だって、この子はクローンですらないんだ。
平行世界に存在している、確かな『上条当麻』本人なんだ。
自分の罪にはならないから、そんな理由では、否、どんな理由をつけても、殺す事なんて出来ない。
たとえ殴られたって、きっと、自分には上条を殴ることだって出来ない。殺すなんて、尚更。

フィアンマは、その場に膝をついた。
上条へ許しを乞うように、頭を垂れる。

「当麻を、…傷つける、くらいなら。…死んだ、方が、いい」
「…、…フィアンマ、お前何言って、…オッレルス、どういうことだよ」

上条は困惑のままに、オッレルスを見やる。
オッレルスは知っていることを全て説明した。
此処に居るフィアンマは、上条やオッレルスの知る右方のフィアンマではないことも。
フィアンマはのろのろと立ち上がり、唇を噛み締める。

「……怖がらせてしまって、…すまなかったな」

そう言うフィアンマを見つめ。
"この世界の上条当麻"は、しばし思考した。
そして、言葉を紡ぐ。

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