過去ログ - 凛「まどか? 聞いたことの無いサーヴァントだわ」
1- 20
57: ◆7F1xhg7Fvs
2013/02/12(火) 01:28:14.03 ID:b/EIgSv3o
「いや、心配はいらない。言峰綺礼は、もうすぐ死ぬ」

「え?」

「彼は私と同じく、前回の聖杯戦争で呪いを受けた。しかも僕より深く大量に、だ。
その結果として心臓を失いながらも生き長らえ、十年間呪いと共存した」

「分かってるわ。彼の力の源が聖杯の呪いである可能性については検討した。
けどそれなら、浄化の矢で無効化できない説明がつかない」

「言峰綺礼の身体能力についての話は一旦保留としよう。僕が指摘したいのはそこじゃない。彼の心臓だ」

「……!」

初め眉をひそめ、それが見る間に驚きの表情に変わる。
ほむらの理解が追い付くのを待って、切嗣は続きを話す。

「君の宝具は、奇跡を打ち消す。とくに呪いの類を許さないことは、僕の治療の際にはっきりしている。
言峰綺礼の心臓を形作る呪いは、必ず浄化されたはずだ。君が一撃目で効果が見られなかったにも関わらず、
二撃目でも奇跡の抹消に専念したのは、何らかの手ごたえがあったからだろう? それが呪いへの干渉だと思われる」

「つまりこれからの私の目的は、ランサーを発見し、言峰綺礼が死亡した時を見計らって再契約すること」

「一つ訂正するなら、ランサーとの契約はいつでもいいだろう。
相手の合意さえ取れれば、あとは威力を抑えた完全なる半月輪廻で契約だけを撃ちぬけばいい」

言い終えると切嗣は立ち上がり、扉に向かって歩き出す。

「そろそろ組み立てに入ってくれ。僕はしばらく睡眠を取る」

その言葉でほむらはガンオイルが乾き切ったことに気づき、銃の組み立てを始める。
扉が閉まる音を背に、切嗣は数年ぶりに煙草に手を付けた。

中庭で月明かりを頼りに銘柄を確認する。
ほむらに適当に買ってもらったものは彼の好みとは違っていた。

空へと流れていく煙を見ていると舞弥を思い出す。こんな無駄なことに思考を裂くのは、殺人機械のやることではない。
もうかつての自分には戻れないようだ。けれどできる限り自分を調整しなくてはならない。

切嗣は殺人機械に戻るために最初に[ピーーー]べきは、自分自身の心だった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/281.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice