過去ログ - とある後日の幻想創話(イマジンストーリー)2
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946: ◆A0cfz0tVgA[sage saga]
2013/12/23(月) 00:00:34.95 ID:GBwv0gZd0

黄泉川「ここがあの子の……」



黄泉川は部屋の番号と冥土帰しに渡された紙に書かれている番号を照らし合わせ、合っているかどうかを確認する。


表札に書かれているのは『十六夜咲夜』の名前。これが、自分達が助けた少女に与えられた名前らしい。
彼女の担当の医師と冥土帰しが一緒に案を出して、あの子自身が案の中から決めたものだそうだ。


彼女が記憶喪失であり、その記憶が戻ることは無いという話は、部屋を出る直前に冥土帰しから聞かされていたが、
その話を聞いた時の黄泉川の心の内は『愁傷』と『諦観』の半々であった。
愁傷の感情は『十六夜咲夜が永遠に記憶を失った』という事実に対して。
諦観の感情は『十六夜咲夜には何かしらの後遺症が残っているだろう』という予感に対してである。


予感があったおかげで、黄泉川は事実を告げられた時に大きく取り乱すことは無かった。
あの事件に関わったからだろうか。かつての黄泉川ならば『何とかして記憶を戻せないか』と冥土帰しに嘆願しただろう。
根拠のない希望に縋ることなく、事実を素直に受け入れられるようになったことは成長していると言えなくもない。
しかし、黄泉川にとっては自分に諦め癖がついたように感じ、それを素直に喜ぶことはできなかった。




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