過去ログ - 京太郎桃子の話
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6:6[sage]
2013/02/11(月) 15:06:53.39 ID:FyZPuZNm0
 未だに夏の暑さは引くことを知らない。汗で張り付いたシャツが不快感をあおる。
 涼しい場所で一服したいと、思うが、
 ――"彼女"が来る前に移動もできるはずがないか。
 吐息。
 頬をかけば、水滴が指先につく。鬱陶しげに振り払う。
 と、
「あ、須賀さーん、待ったっすか?」
 声が来る。数日前に出会い、知り合った女の声だ。
「いや、待っていないさ」
 京太郎は笑みを見せる。
 しかし、女は目ざとく、
「須賀さん。汗でシャツ張り付いてますし、色も滲んでるっすよ? それ、十分二十分じゃならないっすから」
 ばれてたか、と思うが、
「時間指定のミスのせいで待つことになったのは待つって言わないさ」
 どちらかといえば地方に属する長野の地は、やはりバスの本数が少ない。
 そのせいで適当に時間を指定した罰が当たったらしい。京太郎は炎天下の下で待つことになったわけである。
「むー、まあ、いいっすけどね」
 どこか拗ねたような彼女が面白い。
「それじゃあ、行こうか」
 京太郎は告げて、歩き出し、
「そうっすね」
 その隣に沿うよう、彼女――、桃子も動き出した。



 出会いは三日ほど前。京太郎がいつものように雑用をしていたときだ。
 どのような采配か桃子と出会った。
 その後軽い連絡を取り続け、休日に会うことになったのだ。



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