過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 3クール目【仮面ライダー】
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210: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/12(火) 20:25:40.08 ID:s9GWW0e9o

憧「……で、それがどうかしたんですか」

会長「うむ」

会長「恐怖を克服できなかった大方のものは、『恐怖から目を背けるか』それとも『恐怖に心が折れるか』のどちらかだ」

憧「まあ、そうでしょうね」

会長「しかしここで、恐怖から目を背けることも出来ずに、心折れる事がないものがいたとしたら?」

憧「……いずれ、克服するんじゃないですか?」

会長「しかし、いつまでもその恐怖が訪れる」

会長「克服しても克服しても、その恐怖ばかりが来るとする。彼の恐怖には終わりがない!」

会長「彼はその時の恐怖に目を向けても、本質の恐怖を認めてはいない。己を誤魔化している」

会長「だから、彼は自分自身の本当の欲望に気付いていないのだ!」

会長「代わりに、恐怖を克服するためにばか成長して、満たされないまま器が広がっていく!」

会長「故に――私は」

会長「その終わりのない成長、埋まらない欲望と器のギャップ」

会長「それを持つ彼こそが、オーズの器として相応しいのではないかと考える」

憧「彼って……?」


 分かっていながら、聞いた。
 オーズの器を持つ。この場でオーズと言ったらただの一人しかいない。
 会長が何を期待しているのか、何を計画してオーズの器を求めているのか知らないが。
 この会長は少なくとも、須賀京太郎に何かを求めている……と言って間違いはないのだろう。
 それが、どのような事を齎すのかは知らないが……。


会長「君も知っている――たった先ほどまでここに居た、須賀京太郎君だよ」


 そこにきて、背筋がうすら寒くなるのを感じた。
 また、須賀京太郎への同情が、多少は深まった。
 巻き込まれただけだというのに、初めからそうなるべきであったかのように計画されている。
 地獄の機械の歯車の一つとして――それも心臓部の歯車として――組み込まれているかのような錯覚。
 ビルの屋上に寝ころびながら空の高さを考え込んでしまったような。
 そんなものに似た恐怖を覚えた。
 背筋を這い上がる怖気に包まれる。

 故に身体を抱きしめて震えた新子憧は。
 その先、鴻上光生が呟いた言葉を聞きのがした。


会長「もっとも……」

会長「いつまでも満たされないと言う意味では、彼はグリードに寄っているとも言えるがね」


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