過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 3クール目【仮面ライダー】
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360: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/13(水) 02:15:43.22 ID:Amqm2r/Wo
>>351の判定:74

 カザリに連絡をして、ビルの外に出た。その時だった。


「きゃっ」

「うぉっ……あ、す、すみません!」


 カザリがおらずとも、あたりを警戒しようと首を回したその時に。
 スーツ姿の女性に、ぶつかってしまった。
 持っていた書類があたりに飛び散り吹き飛ばされそうになるのを、必死に止めようとする。

 一陣の風。
 それが、書類を巻き上げた。


「――っと!」


 つい、オーズに変身しているような気分で――メダルの話をしていた為だろう――勢いよく跳んだ京太郎は。
 何とか書類を掴めこそしたものの。
 あの時のような驚異的な身体能力が発揮できるはずもなく。
 全力で跳んだ、余力を残さないそのままの勢いで。
 思いっきり、植込みへと頭から着地した。

 目から火が出るとはこの事だろうか。
 急激に電気を流したかのように視界が白澄み――。
 そして、気を失った。


 次に目が覚めたとき。移るのは大空に広がる星――とは言い切れない。
 地上の淀んだ大気と摩天楼のネオンに阻まれているというのもあるし。
 そもそも、まだ夕暮れ時。精々が宵の暁星――金星――が西の空に輝いているだけ。

 そして、後頭部に伝わる柔らかさと。
 視界に映る女性の整った顔に――己が彼女の膝を枕にしている事に気付いて、勢いよく頭を上げようとした。
 が、


「駄目よ。頭を打ったんだから」


 持ち上げようとしたその頭を、女性に抑えられる。
 なるほど、言われてみれば側頭部が腫れていた。
 しかし、正直なところ、見知らぬ女性の膝枕を受けるのと、頭部打撲の後遺症の心配のどちらが困るかと言えば。
 京太郎の年齢的にも、前者が勝るというものであった。


「あー、その、すみません」

「ううん。だって、私の書類を取ろうとしてこうなっちゃったわけだし……」

「いや、元はと言えば余所見をしてた俺が悪かったんで……」


 お互いに過失を謝って。そこで、会話が途切れる。
 何とも気まずいし、気恥ずかしいのだ。
 こうして、見知らぬ――それも美人だ――の女性の膝に頭を乗せて、見下ろされているというのは。


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