過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：九巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：九巻目【都市伝説】

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17:1[saga]
2013/02/11(月) 23:11:21.99 ID:V1GJAAgQo
けしかけてしまった。
俺の勘違いなら良かったが、あの人がどこか寂しそうに見えたから。
玄さんに任せるだけってのも気が引けるけど、俺が言っても意味が無い。

けしかけられてしまった。
頭の回転があまり早いわけではない私には、おねーちゃんが本当に望んでいる事が何なんて分からないけど。
それでも、おねーちゃんが寂しそうだっていうのには、同意見だったから。

妹と、異性の友達。

ぼーっと、二人が誰かと戯れているのを遠目に眺める日々が続く。
二人が誰かと遊んでいる間、一人ぼっちで待ち続ける日が続く。

……最近、この気持ちの正体が半分だけ分かった。

羨ましい。

人が怖くない二人が、羨ましい。

群れていても、残酷にならない二人が羨ましい。

人に囲まれる二人が、その周りの人達が、羨ましい。

だけど、もう半分が分からない。

この胸の中の空虚。
埋まらない空白の正体が、いまだに分からない。

……理解しちゃ、いけない気もする。

それに気付いたら、今ここにいる私が変わってしまいそうな―――

「おねーちゃん！」

「……玄ちゃん？」

私の中にある、どうしようもない気持ち。
変えられない想い、心の根底にある心理。

それに気付いたきっかけは、大好きな妹の、そんなお誘いだったのかもしれない。

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