過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：九巻目【都市伝説】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎奇怪綺譚：九巻目【都市伝説】

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43:1[saga]
2013/02/11(月) 23:45:12.31 ID:V1GJAAgQo
体育館の屋上。

ハシゴがなければ登れないが、ここから見える街の景色は素晴らしい。
特に夕暮れ時の今は、夕焼けに照らされて街そのものが着色されているかのよう。

そこに座り、どこかを眺める少女。

そしてそこに、新たな訪問者が現れた。

淡「ここは私がこっそり友達に教えてもらった、星を見る穴場だったんだけどなー」

衣「奇遇だな。衣も此処だと月が綺麗に見えると友に教えてもらったものだ」

淡「……」

衣「……」

先客は衣。
後発は淡。

二人共、京太郎が『魔物』と呼んだ少女達だ。

淡「……んー、私もこんな感じだったのかな」

衣「何の話だ？」

淡「私の次は、貴女の予定だったんだねって話。分かんないと思うけど」

衣「……？」

淡「退屈しない街だよねぇ」

にしし、とばかりに笑う淡。
刹那のように生きる彼女だが、その裏には信頼がある。

『アイツがどうにかするだろう』『その時は手伝ってあげようかな』
という、信頼と好意。

そんな裏付けがなければ、彼女とてここまで享楽的には生きられない。

淡「貴女も見物でしょ？　お隣しっつれいしまーす」

衣「あ、コラ！　……全く、お前は友によく図々しいと言われないか？」

淡「自由だとかは言われるねー。そもそも私、友達少ないし」

空は晴れ。

日が沈めば満天の星空の中心に、大きな満月が浮かぶことだろう。

彼女等は待つ。

人にあらざる感覚で気付いた予兆、大きな戦いを。

淡「さーて、頑張りなよ。そんでもって負けないでよっ！」

淡「私の友達なんだから、カッコよく決めなさい！」

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