過去ログ - マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章
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2: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/12(火) 02:11:42.04 ID:h9MsaQuTo



 マミは雨の中を直走る。
 右手に折り畳み傘、左手に鞄。白い息を切らし、胸を弾ませて。

 進路相談は具体的な話を何ひとつできず、無駄に長い時間を浪費しただけだった。
 運が悪かったのは、他にも同じような生徒がいたらしく、
マミの番が終わり学校を出た時には、もう日も暮れかけて薄暗くなっていた。
 それから急いで約束の場所に向かう途中、雨に降られたのだ。

 たまたま折り畳み傘は持っていたものの、今のマミはほぼ全力疾走に近い。
小さな傘では、身体のすべてを覆いきれるはずがなかった。
 いよいよ本降りになると、はみ出した鞄や肩は濡れ、路面の水や泥がソックスに跳ねる。
 身体は熱いのに、手足の末端は冷たいのが不快感を煽る。それでも、マミは止まらなかった。
 
 数分後、約束のオープンカフェに到着した頃にはずぶ濡れ。
傘に収まらなかった部分からは水が滴っていた。
 しかも、ようやく着いたのに屋外に展開した席には待ち人はいなかった。
それどころか客も店員も、誰一人いない。

 マミは肩を落とし――ふと視線を移すと、客は全員が店内に入っていた。
 この雨である。考えてみれば当然だった。

 そんなことも忘れていたなんて。
 冷静さを欠いた自分を気恥かしく思いながら店内に入ると、
窓際の席に水色の髪の少女が座っていた。



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