過去ログ - マミ「私は……守りし者にはなれない……」 牙狼―GARO―魔法少女篇 第三章
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42: ◆ySV3bQLdI.[ saga]
2013/02/19(火) 03:43:17.46 ID:RCd/gL2Bo

「彼も私が背中を押してあげたんだから、って……!」

 押し殺してもなお怒りのこもった声で、絞り出すように、さやかは言った。
 マミも即座に言わんとするところを察する。しかし問い返すしかできない。
 頭に浮かんだ意味を信じたくなかった。
 
「それってどういう……」

「恭介は雨の夜、交通事故に遭った。恭介は誰かに突き飛ばされた気がするって言ってた。
はっきりとは覚えてないらしいけど」

「待って、美樹さん。それだけじゃ、命さんが犯人とは決められないわ。
何か別の意味で言ったのかも……」

 早口に捲し立てたさやかをマミが宥めようとした直後――バン! と、平手がテーブルを叩く。

「そんなはずない! 昨日あたしは交通事故としか言ってない。
なのに雨の夜ってことも、恭介がヴァイオリンを庇って左手を怪我したってことまで言い当てたんだよ!?
そんなの無関係なあの人がどうやってわかるのさ!?」

「それは……」

 さやかが腰を浮かせ、前のめりになる。
 その剣幕に気圧され、マミは黙るしかなかった。
 脳内では様々な可能性が浮かんでは消える。

 当事者でなければ身内か警察、病院や保険会社の関係者でもなければ知り得ない情報。
 彼女が、そのいずれかである可能性はゼロではない。
或いは、その誰かから聞いたのかもしれない。

 しかし、明かした理由も、笑った訳も、何より言葉の意味がまるでわからなかった。
 それでも。



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