過去ログ - ビッチ・2
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121:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/17(日) 00:28:22.87 ID:bWGm8aPso

「・・・・・・そうだよね。何か恥かしかったから勝手に話を進めちゃったけど、実の妹から愛
の告白なんかされたらお兄ちゃんだって混乱するよね」

「正直に言うとそういうこと」

「そんなに気持悪い?」

 奈緒が傷付いたような目を僕に向けた。その視線に僕は混乱した。

「気持悪いとかは感じないけど・・・・・・でも僕とおまえが本当に付き合えるのかって考えた
ら、いろいろと無理じゃないかとは思う」

「・・・・・お兄ちゃん?」

「何だよ」

「どういう意味で無理なのか教えて。あたしバカだからよくわかっていないのかもしれな
いし」

 奈緒がバカとかそういうことじゃない。というか、学力的な意味では奈緒は中学受験で
は名門の富士峰に合格しているのだし、ピアノだって将来を期待されるような人材だ。少
なくともマキさんは奈緒の才能を開花させるように大事に育てたようだった。両親の愛情
を疑ったことはないけれど、やや放置気味に育った僕と明日香とは違って。

 そういう地頭のいい奈緒なら僕の言うことも理解してくれるだろう。だから僕は奈緒を
見つめて言った。

「僕と付き合って奈緒には何かいいことが将来にあるの?」

「お兄ちゃんが何を言っているのかわからないよ」

「僕と結婚できる?」

 いきなりの直球を僕は投げた。そしてその意味を妹は正確に理解できたようだった。

「法的にはできないでしょうね」

「僕と付き合える? 恋人として。で、僕を家族に彼氏だよって紹介できる?」

 奈緒は黙ってしまった。

 結局こういうことだ。奈緒が僕のことを兄だと知っても、なお異性として好意を持って
くれていたことは正直嬉しい気もした。でも僕たちの関係には将来がない。

「変なこと聞いてごめん。もう今日は帰るよ。奈緒の家族のこととか聞きたいことはあっ
たんだけど、今日は冷静に聞けそうもないし」

 思っていたより素直に奈緒は頷いた。

「わかった」

 僕の厳しい質問に答えなくて済むことにほっとしたのだろうか。奈緒の表情が少しだけ
緩んだ。

「そうでしょうね。変なこと話しちゃってごめんね」

「いや。また月曜日にマキさんのこととか聞かせてくれる?」

「うん、わかった。いつもの電車で待ってるから」

 僕は奈緒とファミレスの前で別れた。僕はこれから混乱している思考を落ち着かせない
といけなかった。これから玲子叔母さんのマンションに行かなければいけないのだ。そこ
で僕の婚約者と、ついこの間寄り添ってキスしながらデートした叔母さんと会わなければ
いけないのだから。


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