過去ログ - ビッチ・2
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127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/19(火) 23:02:55.34 ID:5oVkFcZbo

「ああ、お兄ちゃん」

 明日香が笑顔で僕を迎えてくれた。

「何だ、思ってたより早かったじゃん」

 玲子叔母さんの声は屈託がないように聞こえた。明日香は自分で言ったとおり僕たち三
人の仲を修復してしまったのだろうか。奈緒にされた衝撃的な告白で気が乱れているせい
か、このときは僕はあまり叔母さんのことを意識しないで済んだ。

「お兄ちゃん、お昼ごはんは?」

 それでも多少は居心地は悪い。僕は必死で平静を装った。

「まだだけど」

 明日香が悪戯っぽく笑って叔母さんの方をからかうように眺めた。

「明日香、おまえなあ」

 叔母さんが不貞腐れたように明日香に言った。

「いいじゃん。ちょうど味見できる人が来たんだし。あたしには全く理解できなかったけ
ど、お兄ちゃんなら別な感想があるかもよ」

「君たちに理解してもらわなくても結構。あたしが自分で美味しいと思ってるんだからそ
れでいいの!」

 叔母さんには僕との関係に悩んでいる様子はなかったけど、何か他の理由で少しお冠の
ようだった。

「いいじゃん、余っているんだし。お兄ちゃんの感想も聞こうよ。あたし用意してくる
ね」

「あ、こら。明日香!」

「いったい何の話?」

 明日香は勝手に叔母さんのキッチンの方に行ってしまった。

「はあ。あんたの妹、つうか彼女は本気で性格悪いわ。育ての親のあたしに向かってあの
態度はどうよ? あんたも見たでしょ、あの態度」

「だから、いったい何の話なの」

「あんたもうるさいなあ。あたしの料理のことは放っておいてよ」

 意外な言葉を耳にした。玲子叔母さんの料理? そんなものは今まで一度だってお目に
かかったことはない。多忙な両親の代わりに一時期叔母さんが僕たちの母親代わりをして
いてくれたことは知っていたけど、叔母さんの手作りの料理だけは見たことはない。過去
の記憶はあまりないのだけど、当時は今の母さんの実家が食事の面倒をみていたのではな
かったか。

「叔母さん、何か作ったの?」

「いや・・・・・・作ったっていうか」

 一瞬叔母さんの顔が赤くなった。僕はいけないと思ったのだけど、叔母さんを抱き寄せ
てキスしたときの記憶が蘇みがえってしまった。明日香への罪悪感を感じる。さっきまで
奈緒の告白に動揺していたのに、僕は言い寄ってくれる女性なら誰でも気になるような人
間だったのだろうか。


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