過去ログ - ビッチ・2
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172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/04/01(月) 22:25:28.79 ID:D0y2i/Rfo

「パパは奈緒を、死んだ怜奈叔母さんの身代わりとして愛しているの?」

 あたしは震える声で聞いた。

「・・・・・・そうかもしれないな。自分でもよくわからないんだ。でも、怜菜の忘れ形見に手
を出して彼女を不幸にする気はないよ。だから有希も安心していいんだよ」

 何よそれ。あたしは再び冷静さを失った。さっきは突然の告白の内容に驚いたからだっ
たけど、今度は奈緒に対する嫉妬心からだった。

「・・・・・・そうなんだ」

「どうした? 有希」

「パパは怜奈叔母さんといい奈緒といい、パパにとって本当に大切な女には手を付けずに
守ろうとするんだね」

「そうかもしれないね」

 パパが不思議と優しい微笑みを浮べてそう言った。あたしは突然押さえきれない怒りを
感じて逆上した。でも、口に出した言葉は低く静かなものだったと思う。自分の感情を剥
き出しにするなと、昔からパパに教わっていたから。

「そういうことなのか。だから、小学生のあたしを抱くことができたんだ・・・・・・。パパに
とってはあたしはそこまで大事な女じゃなかったから」

「それは違う。有希は私の大切な女の子だよ」

「じゃあ、何でその大切な一人娘を犯したの? 今だって嫌らしい手で身体を撫でようと
してたじゃん」

 これまであたしは冗談にだってパパの手を嫌らしいとか口にしたことはなかった。

「おまえが魅力的過ぎたからだよ。大切にしようと思ったけど我慢ができなくなってしま
ったんだ。恨むなら有希は自分の可愛らしさを恨むといいよ」

 そんな言葉に惑わされるわけないでしょ。

「ふざけないでよ。パパは愛していた怜奈叔母さんには何もしなかったし告白ってしなか
ったんでしょ。奈緒にだってそうしているじゃない。結局あたしはパパの欲情のためには
多少傷つけたっていい存在だったんでしょ。何よりも大切な怜奈叔母さんや奈緒のことは
我慢して大切にしているのに」

 小学六年のとき初めて経験させられた引き裂かれる身体の痛み。ずたずたにされた大切
な制服。

 それでもパパを許したのはパパが本気であたしを求めたからだ。怜奈叔母さんに勝てる
とは思っていなかった。でも、これではあたしは叔母さんの娘の奈緒にまで、愛情の深さ
という意味で負けてしまう。これでは今まで数え切れないほどのパパとの夜はその意味を
失ってしまう。

「勘違いするなよ。有希は大切な私の娘だし、今の私にはおまえしか恋人はいないんだ」

 このときになって幼馴染の奈緒に対する怒りが初めて自分の胸中に渦巻きながらあふれ
出した。あの清楚で世間知らずな兄ラブで奈緒に対して、あたしは今日の今日まで憎しみ
ではなく、密かに愛情を抱いてきた。もう少ししたら何とかならないかと考え出していた
ところでもあった。それが実現すれば彼女の演奏表現の幅も飛躍的に広がるだろうし。


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