過去ログ - ビッチ・2
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219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/30(木) 22:46:09.66 ID:6lUXOLOBo

「お待たせ」

 麻紀おばさんが紅茶とお菓子の乗ったトレイを持ってリビングに戻ってきた。

「おいしそう」

 おばさんはあたしに微笑んだ。それは綺麗な表情だった。

「どうぞ。でも本当は有希ちゃんは学校に行ってなければいけないんだよ」

 まるで少女のような無垢な微笑みをおばさんは浮べた。悪い癖でついあたしは自分の配
下の男たちなら麻紀おばさんをどう思うのか考えてしまった。

 それが奈緒とか明日香なら考えるまでもない。そして、三十歳くらいだろう明日香の叔
母の玲子にだってあいつらは欲情を抱いた。奈緒を追い詰めるために麻紀おばさんをあい
つらに乱暴させるというのは現実的ではないだろうか。確かに玲子どころではなく高齢の
おばさんだけど、見た目は本当に美しい。中高生のあいつらだってその気になるかもしれ
ない。それに仲間の中には大の女性にひどいことをして、自分の言うことをきかせること
にサディスティックな興味を抱いているやつならいても不思議ではない。

 そうじゃない。あたしは思考をとどめた。今はそんなことを考えるよりももっと優先事項がある。

 ついこの間まであたしは奈緒の親友だと思っていた。まさか自分の従姉妹だなんて夢に
も思ったことはなかった。そして、二転三転した情報。最初は奈緒が身も知らぬ高校生に
惚れたのだと思った。そんな相手なら跡形もなく粉砕してやろうとも。でも、以外にも奈
緒が好きになった男の子は、池山の彼女の兄貴だというのだ。明日香には今までも散々邪
魔されてきた。その明日香があたしにわざとらしく近づいて奈緒人さんとあたしをくっつ
けようとした。

 奈緒人さんのことをあたしは利用しようとしたのか。それとも明日香の言うように本当
に彼のことを好きになったのか。明日香が奈緒人さんの実の兄貴ではないということを知
ったあたしは、どういうわけか動揺した。今にして思えばその後、パパがあたしより怜奈
叔母さんと奈緒の方が好きだと知ったのと同じくらいに。

 そして。あたしの世界が崩壊した日に知ったこと。奈緒と奈緒人さんは実の兄妹ではな
いということ。奈緒は運命の人が自分の兄貴だと知って悩んでいた。でも、何というとは
ない。奈緒と奈緒人はお互いに付き合おうと思えば付き合えるのだ。

 その辺の事情を今日は麻紀おばさんから聞きださなければいけない。麻紀おばさんをあ
いつらに犯させたらおばさんがどうなるのか、そのおばさんを見た奈緒がどう思うのかな
んて考えている場合じゃない。

「おばさん?」

「なあに、有希ちゃん」

「あたしさ。パパに聞いたんだけど、奈緒ちゃんのママって本当はおばさんじゃなくてパ
パの妹、怜奈叔母さんなんだってね」

 麻紀おばさんは驚いたようにあたしを見た。


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