231:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 00:00:27.80 ID:1Ed2VqjZo
おばさんにはそうは言ったけど、そういう「ひどい」ことは、あたしやパパなら平気で
できそうではある。というか現に他人の気持や被害を考慮しないビジネスでパパは成功し
ていたし、あたしも中学生にして同じことをしている。
血は水よりも濃いというのが本当なら、パパとあたしと同じ血が流れている怜奈おばさ
んはパパや奈緒人さんが信じているような聖女なんかではなかったのかもしれない。その
仮定が正しいとすると、パパの何十年にも及ぶ妹への切ない片想いは意味を失うかもしれ
ない。
そこまで考えついていたあたしはわざと鈍い普通の女の子を装って、信じられないって
いう表情をおばさんに見せた。
「パパから聞いている怜奈叔母さんはそんなひどいことをする人じゃないよ」
「まあ、今となってはわからないけどね。でもあのときは眠れないくらい悩んだよ」
「・・・・・・そんなに悩むくらいなら最初から奈緒ちゃんなんか引き取ったりしなければよか
ったんじゃないの?」
奈緒ちゃんなんか。
親友の奈緒に対する言葉としては自分でも冷たいものだったと思うけど、自分語りモー
ドに入った麻紀おばさんはあたしの様子には気が付かなかったみたいだ。
「話が前後してわかりづらいと思うけど、最初はあたしだって怜奈への罪の意識でいっぱ
いだったのよ。博人さんと怜菜は関係を持ったわけじゃないし、むしろあたしが今の旦那
を怜奈から奪ったというのに、怜菜はあたしのことを恨んでなかったみたいだし」
「それが何で奈緒ちゃんに奈緒人さんや彼のお父さんを盗られるなんて思うようになった
の」
「それはね」
おばさんは何も隠すつもりはないようだった。
「最初はよかったのよ。博人さんはあたしの浮気を許してくれたし、奈緒は家族に馴染ん
でくれたし」
おばさんが続けた。
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