過去ログ - ビッチ・2
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250:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/14(金) 23:42:21.30 ID:pVbkLglno

 女さんは不思議そうに僕を見た。

「さっきあたし君に言わなかったっけ」

「何を?」

「君は変わったって。今の君は昔の君と違うと思うよ。あたし君に言ったじゃん。あたし
に告白してくれたのが今の君だったらきっとOKしてたって」

「よくわからない」

 僕は戸惑った。

「何でわからないの?」

「何でって・・・・・・人間ってそんなに簡単に変われるものじゃないし」

「経験は人の性格を変えることがあるんじゃないかなあ。誰もが憧れる奈緒ちゃんみたい
な可愛い子と付き合ったり、ちょっとツンデレの義理の妹さんからすごく愛されたりとか
したらさ、自分に余裕とか自信とか備わってくるんじゃない?」

「自分じゃわからないな。僕はただ流されているだけな気もするし。少なくとも兄友とか
女さんのように選べる立場なんかには立っていないのは確かだよ」

「無駄に自己評価が低いって誰かに言われたことない? それに兄友はともかくあたしは
そんな恵まれた立場の女じゃないよ」

 それもまた偽善じゃないのか。女さんは明るい性格で誰とも気さくに話してくれるせい
もあって、男子生徒には人気があった。僕だって訳隔てなく僕に話しかけてくれる彼女に
憧れて、恥かしい告白に至ったのだし。ただ早い段階で兄友と付き合ったせいでちょっか
いを出せる男がいなかったということはあるかもしれない。

「君だって人気があるじゃん。僕だって君に告って振られたことがあったしさ」

 そう言った僕の表情を女さんは観察するように見た。

「平然と言ってくれるね。今の君にはあたしなんかどうでもいいんでしょ? 奈緒ちゃん
とか明日香ちゃんみたいな可愛らしくて人気のある女の子が本気で君のことを奪い合って
いるんだもんね」

「そうじゃないって。つうか話が逸れてるよ。とにかく兄友は浮気なんかしていないし、
僕から見れば君のことが好きだとしか思えない。兄友が女の子に告白されたくらいで拗ね
るのは止めた方がいいよ」

「拗ねるって何よ。あたしにはわかるの。兄友があの有希って子のことが気になっている
ことくらい」

 僕はため息をついた。これではきりがない。それにもうこんな時間だ。まっすぐに帰宅
していればもう明日香は帰宅している時間だ。早く明日香に会って彼女の不安を取り除く
努力をしたいのに。

「あのさあ。女さんは人の意見を聞く気がないみたいだし、とりあず今日は」

「し!」

「何・・・・・・?」

「いいから黙って」

 女さんの視線を追うとカウンターで飲み物を注文している兄友の姿が目に入った。その
隣には有希が寄り添っていた。


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