過去ログ - ビッチ・2
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425:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/12/18(水) 00:22:22.82 ID:owlu8LCeo

 気持はまだ完全に落ち着いたわけではないけど、賑わっている夕暮れのスーパーに寄っ
て、人だらけの店内ではぐれないように僕の腕に抱きついている明日香と夕食の献立や必
要な品物を探しながらカートを押しているとだいぶ気持が楽になってきた。明日香と仲直
りしてから何度も二人で買物に出かけていたので、ドレッシングはどこにあるとかカップ
ラーメンも買っておこうとかこれまで二人で積み重ねてきた行動を忠実に辿ったことがよ
かったみたいだ。真っ直ぐに家に帰って誰もいない自宅で二人きりになったりするよりも
よほどいい。

 明日香も僕に密着はしていたけど、口に出すのは買物とか今日の夕食のことだけだった
ので、そういう明日香と会話を重ねて行くうちに、僕は兄友への劣等感とか明日香の気持
への不信感とか、何よりもさっき思わず思い浮かべてしまった純粋な奈緒を懐かしく思い
出した気持が次第に薄れて行くのを感じた。

「そっちじゃないよ」

 明日香が僕に言った。

「味噌とかはこっちだろ」

「この店はインスタントのお味噌汁とかはスープとか置いてあるところにあるの。こっち
だって」

「そうだっけ」

「そうだよ。それともインスタントじゃなくてちゃんと出汁をとって味噌を入れたのが飲
みたいの?」

「いや。明日香にはそこまでは期待してない・・・・・・って痛いって」

「あたしだってやろうと思えばできると思う。玲子叔母さんじゃあるまいし」

「いや、それはそうだろうけどさ。学校行きながら料理作ってくれるなんて期待してない
から。これまでどおりでいいじゃない」

「だって・・・・・・。どうせお兄ちゃんの奥さんになったら家事をすることになるんだし、今
のうちに練習しといた方がよくない?」

「気が早いって。おまえは中学生じゃん。とりあえぜ勉強してその成績を何とかしろよ」

「そうだけど。前は工業高校に行くつもりだったし、あそこなら何とかなりそうだったか
ら」

 池山の通っている高校のことだ。

「工業高校って・・・・・・そういうのに興味があるならともかく、そうでないなら普通の高校
にした方がいいよ」

「うん。工業とかってピンと来ないし。って・・・・・・あ」

「うん」

「違うって。つうか違わないんだけど、少なくとも今は違うよ」

「わかってる。志望校変えるならなおさら勉強しないと」


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