過去ログ - ビッチ・2
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/15(金) 23:14:56.64 ID:kwCozKeOo

「ねえ。あなたは怜菜と知り合いだったの?」

 ここまで来ると麻季はもう冷静になっていた。ならざるを得なかった。むしろ、博人が
どこまで知っているかが気になっていた。

「正直に話すと、怜菜さんとは仕事の関係で二人で会ったことがあった」

 博人は言った。その態度は麻季の反応を思いやるというよりはどちらかと言うと投げや
りな様子に見えた。麻季は怜菜を博人に紹介しないようにしてきた。学生時代から意識し
てずっとそうしてきたのに、あっさりと夫は彼女には黙って怜菜と会っていたことを認め
たのだ。

「そこで全部聞いたんだ。怜菜さんが鈴木先輩の奥さんであることとか、彼女が先輩の携
帯を見て君との浮気を知ったこととかね」

「怜菜さんは先輩が自分が独身だと偽って君を誘惑していることを知った。でも彼女は麻
季のことは恨んでいないと言っていたよ」

「博人君・・・・・・。何であたしに怜菜と会ったことを話してくれなかったの?」

「僕はショックを受けていたからね。君は鈴木先輩とはもう連絡しないと言っていた。で
も怜菜さんが先輩のメールのログを見せてくれた。君はあの後もずっと先輩とメールをし
ていたんだね」

 思わず麻季は言い訳をしようとしたけど、博人の冷たい、なげやりな表情を見てその言
葉は彼女の喉の奥に引っ込んでしまった。今は切実にあの声のアドバイスが欲しかった。
でもこういうときに限ってその声は沈黙していた。

 もう耐えられなかった。彼女はついに聞いた。

「博人君は怜菜のことが好きだったの?。怜菜は博人君のことを好きだと告白した?」

「うん。僕は彼女に惹かれていた。彼女も僕のことが大学時代から好きだったと言ってく
れた」

 それから博人は怜菜と関係を話し出した。もう彼はその話が麻季にどう受け取るかなん
て全く気にしていないようだった。怜菜の死に衝撃を受けたのは麻季だけではなかったの
だ。もしかしたら怜菜の死に関しては、博人の方が麻季よりもずっとショックだったのか
もしれない。彼はもう何も麻季に隠し事をしなかった。

 博人は玲菜が、自分が博人の夫だったら幸せだったのにと言ったことも告白した。最後
に玲菜から会社に届いたメールの内容も詳しく話した。

 博人自身も怜菜に惹かれていたこと、玲菜が自分の妻だったら幸せだったろうと考えた
ことがあることも。それでも怜菜が博人と麻季の復縁を応援してくれていたことも。


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