過去ログ - ビッチ・2
1- 20
63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/28(木) 23:58:40.60 ID:vWEKN95Po

「お兄ちゃん?」

「うん」

「お兄ちゃんは誰を選ぶの?」

 震える声で明日香が聞いた。

 こいつの僕への愛情だけはもう疑う余地はない。答えなんか初めから決まっていた。玲
子叔母さんは僕と明日香の仲がうまく行くことだけを望んでいる。そして奈緒は今では僕
のことを大好きな実の兄としてしか考えていない。もちろん有希さんは僕にとってそうい
う対象ですらない。

「何度も言わせるなよ」
 僕は明日香に言った。「ずっと一緒にいるんだろ?」

「はっきり言って。それでもう二度とうるさく言わないから」

 明日香がくぐもった声でそう言った。

「明日香のことが一番好きだよ。ずっと一緒にいようよ。父さんと母さんと四人だけで」

 明日香が再び僕に抱きついてぐずりだしたので、僕は明日香の顎に手をかけて彼女にキ
スした。

「ありがと」

「礼なんか言うなよ」

 もうこれでいいのだと僕は考えた。

「でもさ、ずっと四人なの?」

「何が?」

「・・・・・・家族って増えるもんじゃないの」

「何を言ってる・・・・・・って、何してるの」

 明日香が何かごそごそとスマホを操作していた。

「もう二度と迷わないように、お兄ちゃんと叔母さんのキスの画像を消去したの」

「これでよし。お兄ちゃん?」

「うん」

「ごめんね。あたしもう迷わないし不安に思わないから」

「よかった。明日香、愛してるよ」

「あたしも」

 スマホをぽいと机に置いて明日香が抱きついてきた。

 僕たちは抱き合った明日香のベッドにもつれ合うように倒れ込んだ。

 翌日、いつもの時間にいつもの車両に乗り込むと、富士峰の制服姿の奈緒が僕を見つけ
て微笑んだ。

「おはようお兄ちゃん」

 それは今朝ベッドの中で僕に呼びかけた明日香の屈託のない、でも少しだけ顔を赤くし
た声とそっくりだった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
459Res/688.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice