72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/04(月) 00:13:06.24 ID:fb47vGvAo
明日香に手を引かれるようにして僕は彼女の部屋に連れて行かれた。
「いったいどうしたんだよ」
明日香を見ると彼女も戸惑っているような心配そうな表情を浮かべていた。
「ママが怒ってるの。何でいつまでもあたなはマキちゃんのことを気にするのよって」
「何だそら。マキって誰?」
「お兄ちゃんの本当のお母さん」
「・・・・・・どういうこと?」
「わかんないよ。学校から帰ったらパパとママが喧嘩してたの」
明日香が帰宅したときには珍しくもう父さんと母さんが帰宅していて、リビングで口論
している声が聞こえたのだという。明日香はしばらくリビングの前で二人の口論を聞いて
いた。
『・・・・・・何でいつまでもあたなはマキちゃんのことを気にするのよ。離婚して何年経って
いると思っているの。それなのにいったいいつまであなたはマキちゃんの言動に振り回さ
れれば気が済むの!』
『そんなんじゃないよ。僕はただ珍しくマキからメールが着たからそれを君に相談しただ
けだろ』
『だってあなたはメールの内容を気にしてるじゃない』
『それはするに決まっているだろ。子供たちのことなんだ』
『あたしにはあなたが何でこんなに神経質になってマキさんの言うことに反対するのかわ
からないよ。マキさんにまだ反感があるからあえて彼女の言うことに反対しているんじゃ
ないの? 逆に言うとそれってまだマキちゃんのことを気にしてるからでしょ』
『そんなわけあるか。でも奈緒人たちが自然に知り合ったのに会うことを制限するなんて
あり得ないだろ』
『あたしはマキちゃんのこと嫌いだよ? でも今回だけは彼女の言うことも理解できる
よ。だってお互いに交渉せずにそれなりにうまくやってきていたんじゃない。今さら過去
を蒸し返してどうなるっていうのよ』
『過去のことなのは僕たち大人のことだろ。あいつたちにとっては現在進行型の話だろ
う。奈緒人が妹と出合って仲良くすることのどこがいけないんだ』
『繰り返すようだけど、あたしにとってはレイナさんのほうがマキより脅威なの。マキち
ゃんの気持もわかるよ。やっぱり奈緒人君に注意すべきだと思う。彼にはむしろ明日香と
仲良くなってもらいたいの』
このあたりで明日香はリビングの前に立っていることを母さんに気が付かれた。
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