過去ログ - モノクマ「うぷぷ…安価でRPGをしてもらうよ!」苗木「その3!?」
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◆x/rxoIq2T6
[saga]
2013/03/19(火) 21:23:46.47 ID:xsW4/8+J0
狛枝「僕は…希望に……なるんだ…!」
日向「狛枝…?」
狛枝は足を引きずりながら、血反吐を撒き散らしながらも、少しずつ、少しずつ日向へ迫っていく。
その表情は今までに見たことがないほど必死で、日向は後退することを忘れて狛枝の姿を傍観する。
狛枝「希望の踏み台じゃない…本当の、希望に…僕は……なる!」
日向「お前……」
狛枝「君たちが教えてくれたんだ…こんな僕でも、誰かの…希望になることはできるって……!」
日向「……そうか」
日向は狛枝の言葉の真意を知る。
狛枝「僕は…君たちを倒して、君たちという希望を超えて、このゲームをクリアするんだ…!」
日向「おいおい、俺たちと協力するっていうのじゃダメなのか?」
狛枝「うん、勿論最初はそれも考えたんだ…けれど、それは“不可能”なんだ…」
日向「不可能?」
狛枝「僕か、苗木クンか、日向クン……あるいは僕達と同じくらいの希望を持つ者を犠牲にして、最後の扉は開かれる…」
日向「…最後の扉?狛枝、お前どうしてそんな事…!」
狛枝「だから僕は決断したんだ…希望の踏み台なんかじゃない……僕なんかを慕ってくれる人の為に、僕でも希望になれると言ってくれた君たちの為に…僕が君たちの希望になるって!!」
狛枝はナイフを握りしめ、突如日向の元へと疾駆する──!
あまりに突然の行動に、不意を突かれた日向は身じろぎ一つすることができず、狛枝の動きをただ見つめる。
日向「あ、ぐぅ…!」
胸元に深々と突き刺さるナイフ。
急速に体の血液が抜けていく感覚。
心臓の鼓動が弱まっていくのを感じる。
日向「……っ」
狛枝「…日向クン、僕は“決断”した。次は君が“決断”する番だよ」
日向「な、に…を……いっ…」
狛枝「カムクライズル」
日向「…っ」
どくん、と心臓が跳ねる。
自分の中にある何かが、体中を暴れまわる。
狛枝「カムクライズルを封じ込めるんじゃない、彼と共存する…そうして初めて、君は日向創になれるんだ」
日向「それは……違うっっ!」
狛枝「現実から目を背けるなんて…君らしくないよ」
狛枝「だってカムクライズルがいたから、君は今ここにいるんだよ?」
日向「…」
狛枝「それを忘れちゃダメなんだ、彼も君の一部だ。それを拒絶していたら、君はいつまでもそこに囚われる」
狛枝「君なら越えられるはずだ。カムクライズルという絶望さえ超えて、日向創という未来に──辿り着ける」
身体の疼きが止まらない。
熱い。
沸騰してしまいそうな身体を必死で抑えつけながら、日向は狛枝の言葉を咀嚼する。
彼の言う通りなのだ、結局は。
自分で求めた才能に勝手に怯えて逃げている…それだけの人間だ。いつまでたっても変わらない。
こんな自分には、予備学科がお似合いだとも思う。超高校級の才能なんか持てる器じゃないとも思う。
それでも、今の日向には頑張りたいと思えるクラスメイトがいて。
こんなゲームでも、自分の才能が役に立つのなら、それはきっと素晴らしい事だろうな、と考えて。
日向「分かったよ…狛枝。もう終りにしよう」
日向は抗うことをやめた。
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