過去ログ - 【18禁】戦場ヶ原「私を抱いて欲しいのよ」貝木「は?」
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19: ◆ZDIJ5Wgmv6[saga]
2013/02/17(日) 00:43:26.46 ID:urpXpriA0

俺は絡まれている戦場ヶ原を無視する形で 店を離れ、駅のトイレで着替えを始める。
元々着ていた背広とシャツを予め用意していた紙袋に入れ、代わりに取り出したのは縦縞のユニフォーム。
阪神タイガースの応援用ユニフォームだ。
半袖のそれを素肌の上に身に付けると、次はメガホンを首から下げ、キャップをしっかりと目深に被る。
セットしたオールバックは崩れてしまうが、背に腹は変えられないという物だろう。

一体何が俺をそこまでさせるのかって?
決まっているだろう。俺は戦場ヶ原には決して負けたくないのだ。
しかも依頼を受けるという立場上、相手にイニシアチブを握られる事は全力で阻止しなければならないからな。
この時点で既に、俺と戦場ヶ原の駆け引きは始まっている。勘違いするな、あくまでこれは仕事なのだ。

最後に鏡で自分の姿を確認する。誰だこいつは。
ただでさえ長身で細身の俺が縦縞のユニフォームを着ることで、なんだか更に細長く見えて針金のようになっている。
おおよそスポーツマンとは言い難い顔の上には野球のキャップ。これがまた恐ろしく似合っていない。
極めつけは半袖から伸びた俺の腕。さすがに室内と言えど11月末に半袖なんかを着ているものだから、
鳥肌がびっしりと立っている。もう自分でも目も当てられないような惨状の男が、鏡の前には立っていた。



最終確認を済ませた俺は、メガホンを両手に持った上で、依頼人の元へと向かった。
絡んできた客 は追い返したのか、1人悠々とコーヒーを飲む食い倒れヶ原の前に。
俺は正面から堂々と、普段通りのクールな表情を保ちながら、戦場ヶ原の対面となる席に腰を掛けた。

「ぶふっ!!」

食い倒れヶ原が飲んでいたコーヒーを噴き出した。

「済まんな、今日はナイタ―があるからお前の分のチケットも用意していたら遅れてしまった。
ところで俺は外野手のマット・マートンのファンだが、お前は誰のファンだ?」

涙目になった戦場ヶ原は、おしぼりで口元を押さえながら必死で笑いを堪えている。
それでもチラチラと俺の腕を――鳥肌がびっしり立っている俺の腕を見ながら、また苦しそうにうつむき始めた。

ふはははは。
よし、勝った。


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