過去ログ - 【18禁】戦場ヶ原「私を抱いて欲しいのよ」貝木「は?」
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20: ◆ZDIJ5Wgmv6[saga]
2013/02/17(日) 00:49:13.64 ID:urpXpriA0

正直今回は同じ地方色を利用した勝負だった事もあり、互角の戦いになると予想したのだが。
どうやらこの俺の鳥肌が勝負の決め手となったようだ。残念だったな戦場ヶ原。そんな大仰な名前をしているお前だが、
戦場におわす勝利の女神が微笑んだのはこの俺だったという訳か。

俺は頭の中でマット・マートンとハイタッチをする程の喜びを抑えながら、当然のような顔で店員にカプチーノを2杯注文した。
というか誰だマット・マートン。道中で読んだスポーツ紙で名前だけ覚えてきた選手だったから、
俺が頭の中でハイタッチした奴の顔は、国籍不明の外国人だった訳だが。

「ち ょ……ちょっと……」

ようやく少し喋れるようになるまで回復した食い倒れヶ原は、息も絶え絶えに話し始めた。

「貴方、いつの間にタイガースのファンになったのよ。邪な貴方が縦縞の軍団を好きになるだなんて、
 天地が90度傾かない限り無いと思っていたのだけれど」

「他人のスポーツ観戦の趣味にケチを付けるのは感心しないな。
 第一、お前は俺がボーダーのTシャツを着ている所なんて見た事が無いだろう」

もっとも、俺が阪神タイガースのファンだという事からして既に、真っ赤な嘘な訳だが。
勿論シーズンでは無いからチケットを用意して遅れたと言うのも嘘だ。

「それにしても髪が伸びたな戦場ヶ原。私服姿も久々に見たが、金持ちの娘のようで似合っているぞ」

眼鏡と帽子には決して触れない。これは相変わらず俺が人間として小さいからではなく、戦場ヶ原の私服を見たのは
本当に久しぶりだったので、そちらの話題を選択したまでだ。
それに髪も最後に会った時に比べればかなり伸びていた。出会った頃のように腰まで、とは言わないが、
十分にロングヘアーと言って遜色のない物になっていたしな。

「ええ。貴方に私服を見られるのは嫌だったけれど、さすがに大学1年生の冬にもなって高校の制服を着るのは無理があったから。
 苦汁を舐める思いでこうして私服で来てやったのよ。しかし何で高校の制服と言うのは一度卒業した人間が着ると、ああも
 イメクラっぽくなるのかしらね。ほんの数か月前まで自分が毎日あの服を着ていたと言うのが信じられないくらいだわ」

知るか。
というか女子大生の口から「イメクラ」なんていう単語が飛び出す方がよっぽど信じられないくらいだ。

ともあれ、こんな恰好で長々と無駄話をするつもりなど無い。俺はいよいよ本題となる依頼についての話をしようと身構えた時、
注文していたカプチーノが運ばれてきた。

「お待たせしました、カプチーノお二つでございます」

店員が俺と戦場ヶ原、それぞれの前にカプチーノを置いたその時。俺達はそれぞれのカップを見て吹き出した。

「ぶはっ!!」
「くふっ!?」

――負けた。

俺たちの完全敗北だった。
カプチーノの上には、この店ご自慢のラテアートで。




くいだおれ太朗と阪神タイガースのロゴが、綺麗に描き込まれていた。



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