過去ログ - 【咲安価】 京太郎「……変、身ッ!」 5クール目【仮面ライダー】
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31: ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/02/19(火) 00:16:03.42 ID:4tZcVhhHo

 人々のざわめく声が聞こえる。
 混乱の叫声、驚愕の悲鳴、恐怖の慟哭。
 炎と、それが発する黒煙。病院を包み込んだ衝撃。

 誰がそれを行った――という話だ。

 その一人は京太郎である。
 京太郎が、己がこんな場所に入院していなかったのなら。
 戦いに身を置いているというのは理解していた。それなのに認識が甘かった。
 自分がいる場所位、狙われて然るべきである。

 そう考えていなかったために。
 そんな甘い発想が――これを齎した。


 そして、もう一人――いや一体。
 その直接の原因。
 ロストアンク――京太郎たちはそう名付けた――アンクのコアメダルに宿った別の人格、別のグリード。
 右腕だけのアンクとは異なる、身体のグリード。

 それがアンクを付け狙い。
 そいつが撃ち出した炎弾のせいで。
 今、病院はこのような様相に包まれていた。


 怒りが――京太郎の腹から湧き上がる。

 炎。
 あの日、未確認が行ったのがそれだ。人々を殺したのがそれだ。
 京太郎から父母を奪い――友人を奪ったのが、それだ。

 こんな場所に京太郎が留まってしまったがために病院が襲われ。
 そして、あの日の――未確認生命体の悪夢を引き起こすものがこの場にいる。

 それを許せるだろうか。

 決まっている。答えは――否だ。
 そんなふざけた理屈が、道理が、論理が、まかり通る筈がない。

 誰が弁護したって、京太郎は納得できない。
 誰が庇護したって、京太郎は安心できない。
 誰が許容したって、京太郎は容認できない。

 安易な考えの元この場に留まった自分も。そこに襲い掛かったロストアンクも。
 どちらも京太郎からすれば、裁かれるべき罪人である。


 スプリンクラーでも消し止められないほどに燃え盛る豪火よりも、なお熱く。
 須賀京太郎は、憤怒の炎を燃え上がらせる。

 焦げ付いた電話は、罪の証明だ。
 燃え盛る炎の悪夢は、罰の代償だ。
 焼け付いた心中は、咎の応報だ。


 そしてここに、新たなる原罪が加わったのだ。
 裁断せかねばなるまい。糾弾せねばなるまい。応報せねばなるまい。



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