過去ログ - 勇者「出来損ないの魔法使い?」2
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568:『最終章 ……と魔法使い』 ◆jwzTa4PnO.[saga sage]
2013/03/10(日) 20:45:10.90 ID:DL14nIgr0
魔王「何かに所属しなければ生きていけない脆弱。何にも所属しない者を迫害する集団。それすらも正当化する自他」
魔王「差別をしなければ生きていけぬ下等種族。顔の形や生まれた場所を気にする優劣主義。どこまでも醜いではないか」
魔王「お前たちにも経験はあるだろう」
勇者「……」
魔法使い「……」
魔王「魔物は、我らにそういう考えはない」
魔王「誰かを羨み、嫉妬し、傷付けるようなものはいない」
魔王「さあ、勇者一行よ……。我らと共に歩もうではないか。醜き人間を殺しつくすために」
勇者「断る!!」
魔法使い「同じく」
魔王「……ほう。それは何故だ」
勇者「魔王、お前が言うことは確かに一理ある。だけど、人間はそんなに悪い奴らじゃない!!」
魔法使い「そう」
魔王「何を」
勇者「確かに人間は誰かを傷付けるし、嫉妬や妬みばかりだ!」
勇者「でも! 誰かを羨むからこそ尊敬する! 尊敬するからこそ、自分もそうなりたいと努力する!」
勇者「誰かの悪い所を見つけることができるから、助け合える!」
勇者「弱くても、そうやって誰かと助け合えるから集まるんだ! 自分と違う誰かがいるからこそ、相手を知ろうと思う!」
勇者「自分や大切な誰かを守ろうとできる! 全部必要なことなんだ!」
魔法使い「それに、集団に馴染めなくても……迫害されたって、私は生きている」
魔法使い「生きているからこそ、ここにこうして立っている。死んでしまったら、何もできない……」
魔法使い「だからこそ、人間を殺す魔物たちを許せない!」
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