過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
1- 20
859:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 04:39:52.14 ID:ZfgmnGXw0
「まさかとは思うけど、ここに来たのってあれ?」
「……あ、わかった?ということは、みーも?」
渡辺がにっこりと笑みを浮かべると、若林も掴んでいた手を引っ込めて同じく笑った。立ち上がっ て町の景色をじっと見渡し、それからまた二人の目があった。
「未希ってどこから来たんだっけ?」
「埼玉。でも小さいよ、東京の方がすごいし」
「んー県によってはまちまちなのかなー」
「というかお前どこだっけ、福岡だよね」
「うん、でも北九州から。こっちも小さーい」

若林が溜息ついて苦笑する。空に手を伸ばして雲をつかむように拳に変えた。それにつられて渡辺 も両手を伸ばした。それを見て若林は言う。
「それ、子どもっぽいって。なんか間違ったらどっかのヒーローみたいだぞ」
「えー正義のヒーローあやぱんまんって?やだなあ」
「お前……やだって自業自得だろ」
「でも私に正義は似合わないよ。この国に、正義とか愛とかなんてない。そんなもの、とっくに 捨てられちゃった」
屋上のはるか下には、サッカーをして遊んでいる男子たち。多分、部活だろう、今は放課後という のんびりした時間なのだから。そういえばと渡辺は楽しそうに若林の顔を覗き込む。
「明日から三日間にかけて修学旅行っ!もちろん未希も参加するよね、しなかったら渡辺さん泣い ちゃうぞ?」
「絶対殺されそうだから死んでも行く。というか彩、もう新しい友達できたんじゃないのかよ、 川瀬とか大島とかそこら辺」
「あー、川瀬さん達か、あんなの友達って言わないよ?あ、でも勧誘はされたな、未希もやられた でしょ、一緒にいじめをやろうって大野さん達から。未希はどーした?」
「俺?ああ……面倒だからやりませんっつった。お前は?」
どうでもよさそうに返答してついでに聞き返すと、渡辺はにっと笑ってピースサインを突き出した。

「バカがうつるからやりませんって言った!」
「……次にいじめられるのお前なんじゃねえか」
「そーしたら未希がいるから大丈夫」
「助けてやらねえぞ、ったく……」
「んー、話変わるけど、今のクラスどう?楽しめる?」
「や、あれじゃすぐ終わっちゃうんじゃないか?俺らが楽しむ前に」

若林と渡辺がいるクラスは2年E組。団結力ははっきり言ってないも同然だった。時間が経つにつ れていじめが悪化していき、確実にクラスメイトは見て見ぬふりをしている。自分さえよければ、 他人なんてどうでもいい。自分中心に回っていって、協力だの仲良しだの、そんなものはあのクラ スになかった。

青春も何もない。
あるのは暴力と中傷。
特に、青春ドラマとかなんて、期待はしていないのだけれども。
でも、それは私たちには関係ないこと。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/348.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice