過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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2013/03/02(土) 04:44:51.54 ID:ZfgmnGXw0
「火田ー、何辛気臭い顔してんだー?」
大下香太(男子4番)がひょこっと美織の顔を覗き込む。香太の隣には長年一緒にいるらしい親友 の水本かける(男子8番)が立っている。今はまだバスは高速道路を走っているはずだが。でも香 太とかけると同じく席を移動している常識知らずのクラスメイトが多数いるので、あえて何も言わ ないようにした。見て見ぬフリも同罪なのはわかっている。
「いいよな、お前らは……兄弟いないんだろ?」
「あー火田はいるもんなーいっぱい」
「こないだ遊びにきた時はびっくりしたよ、うじゃうじゃいるんだもん」
以下略
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2013/03/02(土) 04:45:25.64 ID:ZfgmnGXw0
それでもお前らは弟たちと笑って遊んでくれるから、俺にとってはとても喜ばしいことなんだがな。 でも水本、妹にあれはないと思うぞ、サンタクロースの正体がどうのこうのって。頼むから子ども たちのささやかな夢を平気で壊す保育士にはならないでくれたまえ。そんなまっすぐで本当のこと しか教えない現実的な幼稚園の先生は、夢見る子どもたちにはいらん。
「えー、それって悪いことなの?」
おもっくそ悪い。
「香太、俺のやってること悪いことか?」
「そうでもあるし、そうでもないような?」
以下略
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2013/03/02(土) 04:46:15.38 ID:ZfgmnGXw0
この二人と関わっているとろくなことにならないのは目に見えている。視線を変えようと窓を見る とすぐにひょっこりと女子の顔が現れた。思わず驚きの声を発して立ち上がってしまう。よく考え たらただ単に後ろの座席から身を乗り出してきただけのこと。予想以上の反応だったらしく、涙絵 れなか(女子15番)は笑い始めた。
「にゃっにゃっにゃー!ご機嫌はいかがかにゃ?」
「あのさ、涙絵、頼む、驚かすのは火田だけにしてくれ」
「とりあえず、全部やめとけ。悪戯やドッキリは大嫌いだぞ、俺」
馬鹿げたことを言い出す香太に美織は呆れる。れなかは何の趣味があってか、よく猫耳をつけて学 校にやってくる。流石にしっぽはないのだが、語尾に「にゃ」までつけている辺り、相当の猫好き だとはよくわかった。因みに美織は動物が苦手なので、何が好きとか何が嫌いだとかそういう問題 ではない。ただし、苦手イコール嫌いは全くない。
以下略
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2013/03/02(土) 04:46:46.58 ID:ZfgmnGXw0
「涙絵さん、席ついてー」
学習委員である森本彩菜(女子14番)から注意され、れなかはしょんぼりしながらずるずると、 引きずり込まれるように席に戻っていった。それがホラー映画でよくあるようなワンシーンのよう で、美織は冷や汗をかいた。面白がって映画のワンシーンを再現するところを見るとどうしようも ない脱力感がすぐにやってくるのだ。気がつくと香太とかけるはいなかった。どうやら呼ばれたら しく、池了(男子3番)のグループに混じっていた。ようやく落ち着けるかと思った直後、声が飛んできた。
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2013/03/02(土) 04:47:35.73 ID:ZfgmnGXw0
「さっきの話、もっと聞かせてくれない?」
美織の隣に、先月かもっと前に転校してきた渡辺彩(女子17番)が座っていた。本来ならその席 は山下守(男子14番)のものだが、守は了たちと雑談している。いつものことで気にしなかった が、転校生と話すのは今日のこの時が初めてだった。友達が充分にできたらしく、初日よりは生き 生きとしている。たまにはいいかと思って、美織は言った。
「さっきのって俺の家族のこと?」
「そうそう、勝手に聞いちゃってごめんだけど面白かったからさ。大家族というのは何人ぐらいい るの?」
「俺含めたら10人ぐらいはいるんでないか」
以下略
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2013/03/02(土) 04:48:08.60 ID:ZfgmnGXw0
「へえ、さみしくないの?」
「はへあ?」
「え、だってお父さんお母さんいなかったらさみしくない?お父さんとキャッチボールしたり、お 母さんに毎日ご飯作ってもらったりとかできないじゃない?そういうのむなしくない?」
「どこの定番親子だ、それ。別にさみしくないけど。弟や妹がいるし」
「あ、そっかー今度その子たちに会いたいな。遊びに行っていい?」
以下略
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2013/03/02(土) 04:48:44.58 ID:ZfgmnGXw0
意外に謝りはしなかった。それどころか訊いてきた。こういった人は初めてだったので何となく変 な気持ちになる。いいと返事すると渡辺は笑って手を振り、自分の席に戻った。見送った先に、渡辺の隣には若林未希(女子16番)が座っていた。この人も渡辺と共に転校してきたが、実際のと ころどうなのかはよくわかっていない。ただ、わかっていることは、渡辺とはよく話すことだけ。 まあ、女子とはあまり関わらないのでどうでもよかったのだけれども。
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2013/03/02(土) 04:49:15.01 ID:ZfgmnGXw0
更に右側の座席に目を向けると、そこには水瀬雫(女子13番)が座っていた。誰とも話さず、た だただじっと座っている。それもそのはず、大野椛(女子2番)たちにいじめを受けているのだか ら、話したくてもできないだろう。助けたいのは山々だが、今は見て見ぬフリをしてしまっている。 それは香太やかけるも同じことをしていて、言われなくても全員が黙っているのだ。何もできずに いるが、雫が求めているものが救いではない限り、おせっかいをむやみに押しつけては、それさえ もいじめになるだろう。何人かはやりたくてやっているわけじゃないことも、美織は知っていた。
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2013/03/02(土) 04:50:00.01 ID:ZfgmnGXw0
「おーい、そろそろ休憩に入るぞ、カーブに気をつけとけー」
担任の相田がどうでもよさそうに声かけた。普通なら席を立つことに注意をするはずだが、そうしない。いつものことなので諦めてしまったんだろう。もう少し教師なら何とか耐えて頑張ってくれ。 それと、いじめを止めてくれ。教育放置はよくないと思うぜ。
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2013/03/02(土) 04:51:24.77 ID:ZfgmnGXw0
バスが止まる。そのときに全員が扉から飛び出るように走り出した。中にはトイレに行く者、売店 で何かを買う者など、様々だった。美織は自動販売機に行って、飲み物を買おうと財布から小銭を 取り出す。カルピスを買おうとボタンと押す前に誰かが勝手に押した。出てきたものがホット缶コ ーヒー。美織は顔を歪めて仕掛け人を睨みつけた。
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2013/03/02(土) 04:52:03.66 ID:ZfgmnGXw0
「……おい」
「みおみーお、男がカルピスなんて恥ずかしいぜー?」
「偏見だ、好みの問題だ、金返せ、みおみお言うなボケ」
「ちみっちゃいこと気にすんな!大人への一歩踏み出すんだ、さあ!」
以下略
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