過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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2013/03/02(土) 05:05:56.95 ID:ZfgmnGXw0
麻月がしょんぼりしている。いい気味だ、懲りたらもうやめろ、俺はお前とじゃれ合う時間は端から取 っていない。落ち込んだ顔を拝もうと思って視線を変えた。それがどうやら最悪の合図に繋がれてしま ったようだ。麻月はニヤリと笑って息を大きく吸った。
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2013/03/02(土) 05:06:35.65 ID:ZfgmnGXw0
「みんなー、みおみおが雫ちゃん好きなんだとさー!」
叫ばれた時頭が真っ白になった。ちょっと待て、お前仕返しのつもりか?みんなを巻き込むとはよくで きた迷惑だな。ってか俺は水瀬にんな恋愛感情の一つも持っていない!本当に待て、E組の諸君、誤解 だ。こいつが言っていることは単なるでまかせだ。気にしないでくれ。
何とかしようと美織が言いかけたときにはもう全員が美織に視線を向けていた。もう手遅れだと判断した。椛が雫の肩を掴んで自分の隣に突き放してしまったので。一方の雫は迷惑そうな表情で美織を睨ん でいた。
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2013/03/02(土) 05:07:27.30 ID:ZfgmnGXw0
――すいません、俺じゃないです。麻月のでまかせだとわかってくれ。
「雫ー、火田のことどう思ってんのー?」
「……」
「ほら、何か言いなよ、あ、そっかあ、二人きりにさせてほしいんだね、はいはい!」
以下略
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2013/03/02(土) 05:09:20.05 ID:ZfgmnGXw0
夢を見ていました。それはそれは、程遠い幸せのようで。大好きな人達がいるこの場所で笑えるこ とが、誰かの幸せだったのです。そして、誰かの居場所でもありました。しかし、それはすぐに消えて しまいました。人が最も違うのは、誰かがいなくなること。自分が自分でなくなること。何よりも、間 違ったことをさせられること。人は何かに縋りつかなければ生きていけない。何かの目標がなければ、 生きていけない。何もなくなった時、絶望に堕ちてしまうのです。
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2013/03/02(土) 05:09:53.22 ID:ZfgmnGXw0
それでも希望を諦めませんでした。いつかはいいことがあると信じていたから。いつか、いつか夢を見 られる時が来るのだと、そう信じていたから。いつの間にか、ここにあるものを失うのが怖くなってき た。それ故、必死になり続ける。強がろうと、強くなろうと、自分を作り続ける。その人達は、多分間違ったことに気がついていませんでした。何故なら、失わないようにとだけ頭の中で考えているからで。
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2013/03/02(土) 05:10:24.33 ID:ZfgmnGXw0
夢を見よう、そうすることができるにはまず寝よう、こわい夢を見ないよう、いつでも強くあれるよう になろう。でも、さみしいのは大嫌いです。だから目を覚ましたら、早速信頼できる友達を作ろう。う ん、そうしましょう。裏切られたら裏切られたで、その人とはその程度なんだってこと、わかろう。正直に言います、自分は希望に満ちている世界が羨ましいです。傷つかずに生きている人が、とても羨ま しい。
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2013/03/02(土) 05:10:51.64 ID:ZfgmnGXw0
ただの嫉妬であることをよくわかっています。それでも羨ましいのです。傷つかない世界がこの世にあ ったなら、みんな誰も傷つかなかったでしょうに。夢の中では、みんな幸せそうに笑っているのに、覚 めると、どうして現実を突きつけられてしまうのでしょう。自分にはよくわかりません。
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2013/03/02(土) 05:11:38.54 ID:ZfgmnGXw0
でも仕方ないことだけはわかっている。そんな夢みたいな世界なんて祈っても、存在はしないし、作り出されない。傷つくしかない。立ち直る力はもう残されていません、きっと誰にも、君にも。
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2013/03/02(土) 05:12:06.50 ID:ZfgmnGXw0
帰ろう、心が削られるところへ。還ろう、何もないところへ。そして、そこでは幸せに笑おう。そう、たとえ天国じゃなく、地獄だろうと無だろうと。神様という嘘のような存在に認められるなら何だって しよう。だからもう傷つくのは嫌です。起きよう、覚めよう、そこにはきっと、何かが――
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2013/03/02(土) 05:12:35.21 ID:ZfgmnGXw0
騒がしい声で火田美織(男子13番)は目を覚ました。目に映ったのは、古びているような黒板。周り を見渡すと、どうやら自分と同じく状況がわかっていないクラスメイト達も、机に突っ伏して寝ていた ようだ。机と椅子は、学校にあるようなものだった。というかここは、自分が通っている教室か?いや、 それにしては大分古すぎる。どこかの学校の教室だろう、多分。しかし、今から福岡に帰るところで、 こんなわけのわからないことは予定にない。先生か誰かのドッキリか?はやくはっきりしてくれ、不気味にも程がある。
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2013/03/02(土) 05:13:11.51 ID:ZfgmnGXw0
「何だよ、ここ!何で俺達はこんなところにいるんだ、早く帰らせてくれ!」
大下香太(男子4番)が焦った表情で叫びだした。前の席にいる池了(男子3番)が落ち着かせようと 慌てている。香太が不安になるのも無理はなかった。修学旅行の予定にはなく、全然いいところとはいえない場所にいるのだから。外を確認しようにも、何かで塞がられて見れない。女子も怯えているらし く、中には泣いてしまっている人もいた。不安はみんな同じだった。
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