過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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930:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:29:36.06 ID:ZfgmnGXw0
「次、女子12番、成美美奈さん」
成美という女子、そういやいたなと今更思い出す。だから、前にも言ったように、いじめをしている女 子はみんな、同じ顔に見える。忘れててもおかしくない、忘却なんて誰にでもあることだ。成美は複雑 そうな表情を浮かべてディパックを受け取っていた。まあ、何というか普段笑いながら派手に悪事を行 った奴が殺し合いをしてもらいますって言われたとたん、これだ。怖いものは怖いんだ。そう、呟いて いるかのように成美はひもをぎゅっと掴んで乱暴にディパックを背中に揺らぎながら出ていった。お前が怖い。


931:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:30:14.16 ID:ZfgmnGXw0
「次、男子13番、火田美織君」
俺の番が来た。溜息をついてゆっくりと兵士に近づく。よくよく見ると女か男すらもわからない顔立ち をしているもんだ。ディパックを受け取って多少よろける。重い。もしかしたら武器がとんでもなく、 当たりなのではないか?教室を出ようとして、月下計介(男子9番)に視線を変える。やはり、その表情は変わっていない。よく見たら木村拓(男子5番)や川瀬愛(女子5番)も月下同様に表情を浮かば せている。一体どうしまったってんだ。


932:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:30:50.06 ID:ZfgmnGXw0
廊下を歩いて、出口へと向かう。窓は変わらず何かで固定されてしまっていた。薄暗くて歩きにくい。 なのに、何故誰も立ち止まっていないのだろうか。普通なら壁にぶつかるかもと警戒して歩くはずだが。 あ、走らなきゃいけないのか。歩きならそりゃ恐怖も倍増するわな。とりあえず、ゆっくりとだが走り だした。



933:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:31:34.69 ID:ZfgmnGXw0
しばらく経って見えたのは、真っ暗な世界。そこではじめて今は夜なのだと気付く。舌打ちをして中瀬 に渡されたメモを取り出した。折りたたまれているのを軽くめくる。
「了が北で待てってさ。もし余裕があったら来いよ、何か考えよう」
余裕ねえよ。つか北どこだよ。ここがどこだかわからない限り、永遠に地理感覚を取り戻すことは絶対 にない。見た感じ、どうやらここは福岡ではないらしい。福岡にある島ならもっと小さかったはずだ。 だとすると、山口か?山口の島ってあったっけ。考えても仕方ないからとりあえず池が言う「北」に向 かってみよう。
「みおみーお!」
一瞬耳を疑った。おそるおそると振り向いていくと、こちらに向かって走ってくるツンツン頭の男。最 も会いたくない男、麻月良也(男子2番)が何で向かってくるんだ。つかお前まだ出てくるのずっと先 じゃねえか。
以下略



934:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:32:22.77 ID:ZfgmnGXw0
川瀬愛(女子5番)が廃校から出たところに、森本彩菜(女子14番)がひょっこりと愛の前に現 れた。おたがいぎゅっと抱き合って「生きようね」と約束した。今は、川辺彩香(女子6番)が出てく るのをただ待つのみだった。どうか無事に出てこれるよう二人で祈って。 三人はいつも一緒だった。彩菜が作曲をしているところを声かけて以来、ずっと一緒。愛は作曲家になると言っていた彩菜がうらやましかった。自分が好きなことを仕事に生かせる人は全くいなかったから。 そして、自分もそうであれる自信はない。もう前になくしてしまったから。


935:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:33:05.90 ID:ZfgmnGXw0
「ねえ、愛ちゃん」



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2013/03/02(土) 05:33:33.63 ID:ZfgmnGXw0
「何?」



937:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:34:12.68 ID:ZfgmnGXw0
「みんな本当にこのゲームに乗ったら私達どうしようかな?男子が乗ってたら勝ち目ないでしょ、絶対。 私達、あんまり力がないし、男子が強いし。それにさ、信じられるのって愛ちゃんや彩香ちゃんだけだ と思うな、私」
「どうして?」
「だって、やっぱり怖いじゃん。女の子でまともなのって多分大島さんか、れなかちゃんだけ。大野さ ん達は、ほら、水瀬さんいじめてるでしょ?何か信じられなくってさ。あと、小本さんは話したことな いし、怖そうだし、とても声かけられないよ。男の子だったらみんな信じられると思う。2年E組ってなんか壊れちゃってるもん」


938:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:34:59.61 ID:ZfgmnGXw0
男子については確かに信頼できる。赤本険(男子1番)や、池了(男子3番)のグループについては特 にそうだ。火田美織(男子13番)は充分会話を交わしたことがあり、お互いを少しずつ知っていって いるので、言われなくとも信じている。美織は1年の2学期に転校してきた自分に校内案内をしてくれ た。先生に言われたわけでもなく、生徒会とか偉そうな肩書きをせおっているわけでもなく、ただ親切 に。それがうれしくて、仕方なかった。落ち込んでいる私に「どうした?」とか言わずに案内して、そ れっきり。
「彩菜。火田君は大丈夫?信じられる?」
「うん、当たり前!それに火田君はおもしろいし、優しいし、面倒くさがり屋だけど頼りになるでしょ。 私、いつか曲を完成させたら、火田君に無理矢理歌わせちゃおうかな?」
「あはは、それは流石に可哀想だよー」
二人で談笑していると、女子が走ってきたのが見えた。それが彩香の姿で、二人共安心する。声をかけると彩香が驚いて立ち止まり、どこにいるのか周りを見回っていた。彩菜が笑いながら姿を見せて、手 招きすると、彩香の表情が明るくなった。やっぱり彩香も怖くて不安だったんだなと愛は心の中でひっそりと呟いた。


939:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:36:07.49 ID:ZfgmnGXw0
二人が今まで話していたことを全て彩香に話した。すると彩香はきょとんと目を丸くしたのだった。三 人で歩きながら話していたらそのうち誰かに見つかるかもしれないが、夜を利用すればいい。誰もが、 夜は動き回ると危ないと考えるだろうだから。愛が不思議そうに彩香を見つめた。
「どうした?」
「いやー、信じるとか信じないとかってあれだけど、転校生は?若林さんと渡辺さんはどうなの?」
「未希ちゃんと彩ちゃん?んー……愛ちゃん、どう思う?」
「どう思うって言われてもなー……」
以下略



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