過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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942:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/02(土) 05:37:54.27 ID:ZfgmnGXw0
「……え……?」
その人物は銃を握って嬉しそうに笑みを浮かべていた。さっき話題に出てきた人。転校してきたばかり の渡辺がにっこりと愛達に向けている。三人の間に変な緊張が走った。

なぜ、この人が?
とにかく、最初に同じことを三人一緒に思ったのは確かなことだろう。彩香が震えた声で尋ねていた。

「何で……?どうしてこんなこと」
「わかんなくていいよ。この時のために私はここにいるから。まあ、でもちょっと予想外だったかな」
「え?」
「あなたたちのクラス、来年のどこかのプログラムに選ばれるはずだった。まさか、間違いでこんなこ とになるとはね」
そう言って口先に笑みを浮かべていた。愛にはいまいち言ってることがよくわからなかった。何を言っ ているのか。来年、って一体どういうことなのか。今すぐにその疑問をぶつけたかったが、うまく声に は出せない。彩香や彩菜も同じことを考えていたと思う。

何を言っているのか。
この言葉を言うだけなのに。
声に出して訊くだけなのに。
どうしてそんな簡単なことができないんだろうか。

考えている間、またもや銃声が鳴った。次の瞬間、彩香の悲鳴がひびく。はっとして振り向くと耳を撃 たれた彩菜が横たわっていた。血を地面に垂らしているのが見え、思わず目を細める。どうして、どう して同じクラスメイトを平気で……?
「あ、耳に当たっちゃった。本当は頭狙ってたんだけど外れちゃった。ごめんね、森本さん」
「いや、痛……痛い……っ!」
「痛いのは当たり前でしょ?」
「嫌だ、嫌、死にたくない!!」
笑っている声と泣いている声。あまりにも非現実すぎて何が何だかわからない。誰のために、何のため にこのプログラムというものは存在する?頭の中が混乱してしまい、パニック状態の愛を嘲笑うかのよ うに、再び銃声が鳴った。それに導かれるように愛の顔が上がる。次に、目を見開いた。頭から血を流 して倒れている彩菜と、しゃがんでいる渡辺。隣で呆然と立ち尽くしている彩香。突然すぎる死に、愛 は弟を思い出した。

小学5年生の弟がいた。育ち盛りでよく何でも食べる可愛らしい弟。神奈川にある特殊な学園に通って 夏休みに帰省するはずだったが、叶わなかった。


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