過去ログ - [安価][選択][コンマ] ダンガンロンパ 4 真
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2013/03/02(土) 05:44:55.04 ID:ZfgmnGXw0
酷いことこの上ない。親戚に話すとみんな泣いてしまった。弟のために。二回三回しか会えなかった、 記憶の中でしかない弟のために。ここでもかと溜息をついた。だから月下は自室にこもって、ずっと弟 のことを思い出していた。
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2013/03/02(土) 05:45:30.16 ID:ZfgmnGXw0
あの時、弟と一緒にいることが幼いながらも幸せだって思えたのだろう。なのに、その幸せを、自由に なるために捨ててしまった。自由になりたくて、全てを捨てようという甘い考えが、後悔につながって しまった。どれだけ謝っても謝りきれない。もう実際に会って話すことはできなくなった。弟はもう死 んでいて、ここにいないのだから。
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2013/03/02(土) 05:46:12.18 ID:ZfgmnGXw0
一体どれだけ後悔すれば許される?
何のために生きようとする?
自分がこうしてここにいること自体が間違っていて。
ひょっとしたら、やはり許されないのかもしれない。
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2013/03/02(土) 05:46:48.94 ID:ZfgmnGXw0
できければ許されてほしいとは思う。家出をして、得たのはいいものではなかった。自分のためにでは なく、誰かのためだったら、少しは変わっていたかもしれない。悲しいことが、嬉しいことに。選択に よって、人生が変わるのも案外本当の話だと思った。
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2013/03/02(土) 05:47:33.52 ID:ZfgmnGXw0
まずは、過去に浸っている場合じゃない。今、殺し合いというとんでもないゲームの真っ最中だ。こう している間にも、誰かが来て、会いそうになる。それで下手すれば殺されることだってあるはず。なる だけ速めにスピード出して歩いた。なるべく足音を立てないよう、慎重に行こう。銃声とか聞こえても 声を出さないように、そこも注意しなければ。
いつもが平凡で、平和だったことか、警戒の仕方が全くわからないでいる。信じることが何よりも大切 だとも考えたが、月下はそれも捨てた。誰かを信じようとすることは中々できない。ましてや、殺し合 いだ。みんな、自分が生き残りたくて乗っているかもしれない。
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2013/03/02(土) 05:48:05.21 ID:ZfgmnGXw0
何を考えているんだ、俺は。
あの柴崎実倶瑠(女子9番)のグループ女子ならともかく、今まで関わってきたみんなが乗るなんてありえないことだと決まっているだろう?
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2013/03/02(土) 05:48:38.96 ID:ZfgmnGXw0
足を止めて木に寄りかかり、滑り落ちるようにゆっくりと座った。まだまだ後悔しなきゃいけない。色 々考えてはいけないようだ。余計なことまで変に頭が回ってくる。溜息をつこうとした途端に走ってい るらしい足音が聞こえた。慌てて木の後ろに隠れ、様子を見ることにする。随分急いでいるみたいだが、 そういうのは普段許されることだろう。今は状況が違う。下手に動いたら誰かに狙われる。それで、死んだらそれは相手ではなく、自分のせい。自業自得ってとこか。
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2013/03/02(土) 05:49:15.78 ID:ZfgmnGXw0
「本当にこっちで合ってるって!北へ直行!!」
「バカ言え。それと走るな、気付かれたらお前のせいだ」
聞き覚えのある声が響いてポカンと呆然する。北に行こうとしているのか、あの二人は。ここは色々考 えても仕方ない。素直に立ち上がって前へと歩いていった。
「おい、あんま大声で……」
言いかけてぎょっとする。目の前には全力で向かってくる麻月良也(男子2番)と火田美織(男子13 番)。このままだと思い切りぶつかってしまう。美織も月下と同じように目を丸くし、慌てて麻月の肩 をつかんで止めようとしているが、麻月の足は急に止まらない。
以下略
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2013/03/02(土) 05:50:12.00 ID:ZfgmnGXw0
「待て、止まれ!」
美織の声とともに、三人の倒れる音がやたら大きく響いた。間に合わなかったようで、お互い尻餅をつ いている。一足早く立ち上がった美織が麻月の背中を蹴った。いつものことなので月下にとっては見慣 れた光景ではあるが、麻月はいつも以上に痛かったらしく顔を歪めて美織を見上げていた。
「痛え、みおみお!俺は死んでもいいのかよ!」
「誰もそこまでは言ってない。言うなら俺の視界に入り込むなボケ」
「ほらひでえ!な、月下、ひでえだろこいつ!」
以下略
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2013/03/02(土) 05:50:59.03 ID:ZfgmnGXw0
池了(男子3番)は出発して、北へと向かっていった。なるだけたくさんメモを渡しておいてほしいと仲間に頼んだはいいが、問題がいくつもある。それを乗り越えていかなければ安心できない。間違 いでもプログラムを実行するなんてそんなこと可能なのか。選ばれてしまったはずの山口中の生徒達は 今、どんな気持ちで今を過ごしているだろうか。多分ホッとしたか、生きててよかったと思う人はたく さんいるかもしれない。所詮、人間は自分のことしか考えていない。いいのか悪いのかはあとで考える としよう。
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