過去ログ - 一方通行「『こころ』かァ...」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/02/20(水) 21:17:56.14 ID:xsKxSN3q0


あれから2ヶ月が経った今でも、あの時の誓いが薄れることはありません。むしろ、この街の頂点である統括理事達への憎悪は膨れ上がるばかりです。


ですが、まだ此方には圧倒的に情報が足りていません。あちらが私の情報の全てを有していることを考えると、ことを起こすのは時期尚早かもしれません。


そのような訳で、今はただ上からの命令に従ってクローン達の殺害を行っているのです。この実験が始まってからまだ2ヶ月なのですが、既に半数を全うさせました。方法としては、未来人を使ってそこらの石ころを弾丸に変えて延髄に撃ち込んだり、相手に触れて重量ベクトルを増幅させることで首の骨を折ったりすることでしょうか。これなら、苦しまずに一瞬で逝ける筈です。


そんな私の戦い方を上は気に入らないようで、一撃で確実に殺させないように1000体とまとめて戦うことを強いられたこともあります。私が殺しきれなかった個体が苦しむ様でも見たかったのでしょうか。


しかし、私は屈しませんでした。皮肉なことに、私の未来人はこの実験で確実に成長していました。能力の使い方を覚えただけかもしれませんが、この変化には目を見張るものがありました。


一撃で1000人をまっとうさせる、これを成し遂げるには精密なコントロールが必要となります。私は、頭に浮かぶ無限にも及ぶかのような数式を解き続けました。実験開始の数秒前に漸く解が見つかり、開始と同時に発動をしました。

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確かに1000人居たはずの彼女達は其処にはおらず、代わりに地に空いた大穴があるだけでした。その規模は100m四方にも及び、この実験の為に用意した新学区はいとも容易く壊滅したのです。


この時、私の頭は優越感で満たされていました。極悪人の思惑に反して彼女達を救い出したのだという、正義のヒーローにでもなったつもりでした。事実、彼女達は苦しまずに一瞬で逝けたことでしょう。


しかし、この実験の元々の目的を思い出した時、彼女達に向けられていた視線があるべき方向を向いた時、優越感などは大きく空いた穴の中に吸い込まれていきました。急に全身が冷たくなったようで、一ミリたりとも動かせなくなったのです。



















『絶対能力者、レベル6の誕生』





この崩壊を引き起こすことは、レベル5では不可能でした。

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今日はここまでということでお願いします。


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