過去ログ - 一方通行「『こころ』かァ...」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/03/21(木) 14:48:53.10 ID:xRFTMtoeO
そんな彼女とは打って変わり、男は此方に歩を進めて来ます。あたりは静寂に包まれており、そこにあるのは彼の足音と彼女のすすり泣く声だけでした。ザッザという小気味の良い音と、時折挟まるズッという鼻をすする音が、何とも言えない良さを表しているのです。


そして、彼はその歩みを止め、そのまま、こう呟きました。


「......おい、一方通行」


呟きを聞き取った私は『何だァ』とでも返答しようとしましたが、それを待つことなく彼はもう一度言いました。


「一方通行! 」


今度は呟きなどではなく、それによってはっきりとしたものが私に伝わって来ました。言葉ではなく、その奥に込められた感情です。それがどういったものなのかは、わざわざ言う必要もないでしょう。


その時、訳などは知りませんが私の脳裏には10030番目の彼女達の顔が浮かびました。勿論、いつもと変わらぬ無表情面です。思い違いかもしれませんが、私の名前、一方通行と呟いていました。


一方通行、これは私の中の未来人に付けられた名称です。元々は私の名前ではありませんでした。しかし、現在の私は一方通行なのです。


少なくとも、2ヶ月より最近であれば、私は一方通行と名乗るべきでしょうか。この実験が、私を一方通行に変えたのです。己の誓いはいとも簡単に崩れ去っていました。そう、気づかぬままに......


「一方通行かァ......」


気づけば、その名前は口をついて外に出ていました。


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