17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/02/22(金) 15:46:27.36 ID:L62z0KCK0
千歳「綾乃ちゃん、うちらはこっちの道やで〜」
綾乃「そ、そそそ、そうね!」
二人の言葉と共に、綾乃の手が私の手から離れていく。
あ…、思わずこぼれた言葉は誰にも聞こえてないみたいだったけど、それが何を求めて口からこぼれた言葉なのか。
離れた手はとても暖かくなっていた。今さっきまでずっと握ってもらっていたからだけど、なんだか少しばかり安心したのは間違いなかった。
あかり「それじゃ、私たちはこっちなので」
千歳「うん、ほな、明日な〜」
綾乃「ま、ままた、あ、あしたね!」
京子「……うん」
細々と言葉を返し、二人と別れて帰り道を歩く。
街灯が照らす帰り道、まだ握られている手はもう温まっていた。
温まっているけど何も言わなかった。なんだか、今言葉を発してしまうといけない気がしたから。
コツコツと二人分の足音が響いては消えていく度に、いつも通りになろうと思ったけど、やっぱりなれなかった。
あかり「京子ちゃん?」
不安を帯びた声が耳に入った。見ればあかりはなんだか怖がっているように縮こまりながら、まだ私の手を握っていた。
どうかしたのか〜、寒いのか〜、なら温めてやるぜぇ〜、そんな言葉を出せばいいのに。
京子「……なに?」
どこか冷たい、そんな言葉が漏れてきた。
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