8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/02/22(金) 23:51:28.88 ID:/aXQ9vleo
梓「………」
一度、冷静に考えてみると。
私を悩ませている『私らしい』プレゼント、というのを抜きにして、私が『何をしたいか』で考えると。
……正直、したいことが多すぎる。
菫や直のように、軽音部の仲間として憂にありがとうを言いたい。
純のように、親友としてありがとうも言いたい。
唯先輩のように、憂を憂と見てありがとうも言いたい。
みんな、それは同じなんだと思う。だって相手は憂なんだから。常に私達の心の拠り所となってくれていた憂なんだから。
そんな中で、皆は『自分らしい』やり方を選んだ。選べた。
私は……選べない。
……ダメだなぁ、私。
この一年は、初めて後輩を持って、部長になって、慣れない事ばかりでダメダメだった一年だった。
あっちにフラフラ、こっちにフラフラとしてたばかりの一年だった。
最初で最後の学祭ライブでも失敗するくらい、どうしようもない一年だった。
けど、楽しかったって言える。
皆がいてくれたから、憂が支えてくれたから、言える。
なのに、私は憂に何をどう返せばいいのかわからない。
わからない、なら、もういっそのこと――
唯「あっ、そうだ、いいこと考えたよあずにゃん!」
梓「……何ですか?」
唯「あずにゃんが憂に明日一日中ご奉仕すればいいんだよ!」
梓「………」
ドキッとした。
わからないならいっそのこと全部やってしまおうか、とか思っていた矢先だったから。
でも、素直に表に出すのも少し悔しい。
梓「……律先輩は言いました、「唯の「いいこと」がいいことだった試しがない」、と」
唯「えぇ〜、そうかなぁ」
梓「………でもなんとなく乗せられてしまうことが多いんですよね、皆」
実際、これくらいしないと憂への日頃の感謝は伝えられない気はしていた。そしてこれでも全ての感謝を伝えきることは出来ないんじゃないかな、とも。
皆のように一点に特化した祝い方が出来ないのなら、たとえ広く浅くになってしまおうとも、全部をやるしかない。
私らしいかはわからないけど、私はそうしたいと思いつつあった。
唯「私も手伝うからさぁ、ちょ〜っとだけ」
梓「ちょ〜っとだけですか」
唯「だってあずにゃんの用意するプレゼントなんだからあまり手伝ってもダメでしょ?」
梓「その通りですね」
唯「というわけでやろう! はい決定!」
正直、アリな気はする。唯先輩が言ってくれたから、というのが大きいけど。
軽音部としての感謝を込めたプレゼントは菫と直がやってるし、親友としては純がやる。だったら私はまた別の角度からのアピールで、日頃の感謝を込めたプレゼントを贈ればいい。
そういう意味では理に適っている。と思いたい。
梓「……わかりました。では明日は朝からそちらに行けばいいんですね?」
唯「やったぁ! 朝からあずにゃんに会える!」
……それが狙いでしたか、唯先輩。
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