過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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2013/02/25(月) 02:23:53.43 ID:8gIDJxBio
 和はその答えに思わず頭を抱えたくなった。将来の夢の1つに小学校の先生になりたい、そう思っているのにそんなに怖い人間、質問をしにくい人間だと思われていたとは……。 
 もう少しやわらかい態度を心がけるべきだろうか、そう自省しつつ幾許か表情を和らげた。 
  
 「……須賀君の中で私はそんなに怖い女、キツイ女だったんですか?」 
 「あー、いやー、そんなことは」 
 「目を見て話してください」 
 「……すみません」 
 「いいです、謝らないでください。初心者が聞きづらい環境にあるというのはこちらが反省すべきことですから」 
  
 そう、反省するべきだ。そう和は思った。初心者であり、まずは麻雀の楽しさを分かってもらうという大切な時期に合宿だ大会だで殆ど放置気味になっていたことを反省すべきだ。 
 和自身、中学時代は後輩達にもいろいろ気にはかけていたはずだったのだがここ最近はいろんなことがありすぎ、自分自身手一杯であったため、あまり周りに気を配りきれなかった。 
 京太郎がこういう卑屈な発言をしてしまうような環境を作ってしまったのは自分たちに責任がある。 
 ずきり、と心が痛んだ。 
  
 (だからと言って今更取戻しが効くものではありませんよね……) 
 (だから……だからせめて) 
  
 和は心の中で一つ決意する。今更罪悪感に任せて媚を売っても仕方あるまい。京太郎に怖い女と思われているのならそれでいい。 
 それでも自分にできることをしよう、そう決意した。 
  
  
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