過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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907: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/02(火) 02:05:56.62 ID:Cw7gu7UDo
「悪かったっすね。いきなり呼び出して」

「ううん、別に大丈夫だよ」

2人は昔からの知り合いではあった。
会えば普通にしゃべる程度の仲ではあった。
だが、こうやって個別に会って出かけるといったことはしたことがない。
そんな関係の2人であったが桃子は咲に話したいことがあるからと飲みに誘い、咲はそれを2つ返事で了承した。

「なんとなく、要件はわかってたし」

「あぁ、やっぱりバレてたっすか」

「まぁ、ね。タイミングもぴったりだったし。……これでしょ?」

咲はバッグから一枚の封筒を取り出した。
そこには「WEDDING INVITATION」と記されている。
桃子はそれを見て苦笑しながらも軽く頷いた。
手元のマティーニをぐっと飲み干した。

「正解っす。まぁ、前々から話だけは聞いてっすから驚かないと思ってたんすけど、形としてやってくると意外と」

「結構、心に来るよね」

「全くっす」

2人は苦笑気味に笑いあった。
咲は目の前のグラスを軽く傾けて小さく息を吐いた。

「多分、男女の違いがあれど似たような気持ちを抱えてるんじゃないかなーって思って」

「うん。その人選は間違ってないと思うよ」

グラスに入った酒は半分程度しか入っていなかったが咲の顔はすでに赤くなっていた。
それと対照的に桃子はまだ赤くもなっておらず、新たな酒を注文していた。
咲はちょっと驚きの表情で桃子を見た。

「お酒強いね」

「いやいや。加治木先輩とかもっと強いっすよ。私はまだまだっす」

桃子は手元のビーフジャーキーを口に入れ、それを咲にも勧めた。
咲は軽く礼を言いつつそれを小さくかじった。

わずかな沈黙が2人の間に流れた。


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