過去ログ - 京太郎「もつものと、もたざるもの」
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959: ◆CwzTH05pAY[saga]
2013/04/11(木) 00:42:28.98 ID:4Hfa2lmyo
京太郎はまこのその言葉に動揺していた。
余りにも突然な提案であった。
プロなど別の世界の話だとほんの数時間前まで思っていた。
だが、それに向けてもう一度戦わないかと今は誘われている。

余りにも骨董無形な話だ。
目指す頂が高すぎる。
新設チームが勝ちあがり、ドラフトに引っかかる活躍をするなど夢物語だ。
できるわけがない。

京太郎は頭の中ではそう考えていた。
だが、それとは対照的に胸は激しく高鳴った。

もう一度、戦える。
何かを目指して、戦える。
ただ目の前の生活のため、何かの渇きを満たすためにひたすらに麻雀を打ち続ける生活ではない。
何か高い頂を目指して進むということができる。

その事実が京太郎の血が熱くなった気がした。
麻雀部をやめてからずっと最低限の働きしかしてこなかった心臓が激しく動き出す。
全身に血液がいきわたり、頭が熱くなってくる。
思わず、握り拳を握った。

「染谷先輩」

「なんじゃ?」

「……こちらこそ、お願いします」

京太郎は頭を下げた。強く拳を握りながら。

「もう一度俺に、チャンスをください。もう一度、もう一度俺も闘いたい。後悔がないように、闘いたい」

京太郎のその言葉にまこは瞳を潤ませ、満面の笑みを浮かべて京太郎の手を握った。

「あぁ、あぁ! もう一度、もう一度じゃ。今度は、今度こそは……」

「……はい!」

まこはそれ以上言葉にならないようだったが、京太郎は何も言わずに大きく頷いた。


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