21: ◆R0AgHv2yZI
2013/02/26(火) 20:34:53.66 ID:wMwYvn6Ho
宥「だ、大丈夫? どうしたの?」
カタカタと震える体を抱き締める。
恐怖が体を蝕んでいった。
もしかしたらアイツは、既に私のことを探し回っているんじゃないだろうか。
少ししたらここにやって来て、再び私をあそこへ連れ戻すのだ。
そうなったら今度こそ絶対に逃げられない。
菫「はぁっ、はぁっ……!」
そうやって考えれば考えるほど恐怖の奥底へ引きずり込まれる。
頭の中で、鮮明に再生される。
アイツの顔が、手が、声が。
次第に止まらなくなり、頭の中にアイツの乾いたような笑い声が響き、反響して、こだまする。
菫(あ、ああああぁぁぁぁっ!!)
その声を振り切ろうとしても、無駄だと嘲笑うかのように頭の中の声は段々と大きさは増していく。
宥「菫ちゃん!」
ぽん、と肩に手を置かれて我にかえった。
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