918:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/10(日) 09:19:01.41 ID:nQ4y3AGI0
「…ほんと、頭が良くて口も回る人って嫌になる」
言葉を発したのは、永佳だった。
「赦すとか赦さないとか…しょうがないでしょ、これ、プログラムなんだから。
軍の人が言ってたじゃん、『殺らなきゃ殺られる』って。
死にたくないなら、[ピーーー]しかないでしょ」
永佳もプログラムに乗りたくて乗っているわけではない――彼女の口癖を借りるなら、“しょうがない”から武器を手に取ったのだ。
冷たい言葉を放つけれど、永佳だって本当は優しい子だということは、幼い頃からの付き合いで十分に知っている。
今だって、周りの人に嫌な思いをさせるくらいなら自分が傷付くことを選んでプログラムに乗っている。
葉瑠の怒りを買いかねないこの発言も、葉瑠の怒りの矛先を英隆から自分へ向けようとしたものだ――とするのは英隆の思い上がりかもしれないが。
葉瑠は永佳に目を遣り、小さく笑んだ。
目は全く笑っていなかったけれど。
「永佳は、割り切ったんだね、そうやって。
割り切るのは良いけどさ、割り切った者同士てドンパチしてほしいもんだわ。
あたしたちは、仕方ないからって割り切ることはできなかったんだよ。
死なずに殺さずに、どうにかできないかなって、そんな甘い考えしてたわけ。
可能性はゼロじゃないっしょ、プログラムで脱出者が出たって話も聞くしさ。
迅くんと早稀とか、きっと麗くんのグループとか、やる気じゃない人もいるの。
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