過去ログ - P「始原のiDOL」
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45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 23:04:29.66 ID:y8XKonFyo
「それにしても、呪いの刀って、今時どうなんだろ……」

「真のまがまがしき呪物が運び込まれたと聞く」
「え? ほんと?」

 驚いて顔をあげる美希に、蘭子はこっくりとうなずいてみせる。
 美希は響と顔を見あわせ、何事か目配せを交わし合った。

「詳しく教えてくれる? 蘭子」

 真剣な調子で響が問いかける。
 蘭子はその迫力にたじたじになりながら、話し出した。

「我が知識の泉をしても絶対なる真実はつかめぬ。ただ、我が友の信頼すべき言によれば、古の都から……」
「しっ! 静かに!」

 美希がぱっと手を伸ばし、言葉を遮る。
 急なことに硬直する蘭子。

 だが、彼女の耳にもやがて、美希が気づいたのであろう物音が聞こえてきた。

 もちろん、スタジオにいる他の人間たちにも。

「……悲鳴?」

 思わず漏らした自分の言葉の意味に気づき、蘭子の顔が青ざめる。

 それはスタジオの外から聞こえてくるようだった。
 片側だけ開け放たれている扉から、男のものとも女のものともつかない甲高い悲鳴が響いてくる。

「……他のスタジオか?」
「いや、今日は他はそんな……」

 ざわざわとスタッフたちが話し始める。
 誰もとっさには動けないようであった。

 そうこうしている間に声は途切れた。
 だが、それに覆い被さるように、別の声が助けを求め始める。

 しかもそれは複数あるように思えた。


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