6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/03(日) 22:01:38.72 ID:y8XKonFyo
「すごいね、響ちゃん」
「でも、惜しいですー」
感心したように漏らすのは、儚げな雰囲気を持った萩原雪歩。
それに対して、胸の前に両拳を揃え、残念そうに漏らすのは高槻やよい。
「ありゃ、違った?」
「残念だけど」
ずいと進み出て口を開いたのは、スーツの女性。
マネージャー兼アシスタントプロデューサーという肩書きを持つ秋月律子だ。
「私たちは話し合いで物事を決めているの。だから、誰かがトップってわけではないのよ」
「ええ? そんなぬるいことで大丈夫なの?」
響の仰天した声に、律子は怜悧な美貌をほころばせる。
「765プロは、芸能界をそのテリトリーとしている。この業界にまつわるヒト、モノ、カネは膨大なものよ。一人が強権を振るうより、765全体が協調して縄張りの安全を守る方が有利に働くの」
「ふうん……」
どこか納得できない風でありながら、響はひとまず頷いていた。
新参が口を出して許される限界がどこかくらいは、彼女も理解しているのだ。
「まあ、そんな話はやめて、パーティを続けませんか? その世界の話は……またいずれということで」
あずさがそう言ったことで、空気ががらりと変わった。
異様な色に輝いていた瞳はそれぞれ普段の黒や茶色に戻り、少女たちは外見相応の可愛らしい雰囲気を身に纏う。
そうして、笑い声と歓声が響く宴は、随分と遅くまで続いたのだった。
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