過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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416:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/07(木) 07:18:38.19 ID:NMRpKHbs0
その隣りで哀れみを帯びた目で高校生たちを睥睨したのは村主環（女子１２番）。
夜風に肩までの金髪を靡かせ、大人びているその表情は中学生には見えない。
首にはシルバーのネックレスが付けられている。

「いやいや、弘也がキレたのは環が殴られたのも原因だよ。
　なんせ弘也は“超”が付くほどのフェミニストだしなっ」

弘也の横でニシシッと笑っているのは野原惇子（女子１６番）。
大柄な体つきに、猫っ毛の茶髪、左耳の３つのピアス、左手薬指にシルバーのリング――遠くから見ても一目でわかる。
ちなみに、シルバーのリングは弘也とお揃いだ。
弘也は中学２年生になった頃からの恋人だ。

「ま、とりあえず勝利の一服としようぜ。
　環は吸わないんだよな…じゃあこれやるよ」

ズボンのポケットから煙草の箱を取り出したのは須藤大和（男子７番）。
ツンツンに立てた茶髪の左側をクロスさせたピン４本で留めており、左耳にはイヤーカフスをつけ、左手薬指にはシルバーのリングがはめられている。

大和は環に缶コーヒー（高校生の財布から失敬したお金で買ったものだ、いいだろ、喧嘩に巻き込まれた慰謝料みたいなもんだ）を投げた。
環はそれを上手く受け取る。
その手には、ナイフでつけられた切り傷が出来ており、手の甲が真っ赤に染まっていた。

「環ちゃん、手ぇ大丈夫？」

「え…あ、うん、平気、掠っただけ…」

心配そうな弘也の言葉に、環は答えるとぷいっと顔を背けた。
環はグループに入ってから日が浅いというわけではないが、メンバーとの間に壁を作って接しているように見える。

弘也は相変わらずの環の態度に苦笑し、ポケットを弄った後顔をしかめた。
顔を上げ、大和に向かって微笑んだ。

「やーまと、ライター貸してくんない？
　多分学校の屋上に置いてきちゃった」

「これやるよ、１００円ライターだし。
　持ってると見境なく吸いそうだし」

大和は口に咥えた煙草の先に火を点け、ライターを弘也に向かって投げた。
弘也も同じようにした後、惇子にそれを渡した。
勝則は持参のライターで既に火を点け、おいしそうに煙を吸っていた。

大和は煙を大きく吐き出した後、自分の左腕に巻かれた安物の腕時計に目を遣った。
時刻は１１時を回ったところだった。
「あぁ、もうこんな時間か」とぽつりと呟き、まだ長い煙草を地面に落として薄汚れたスニーカーでぐりぐりと踏みつけた。

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