過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

↓ 1- 覧 板 20

438:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/07(木) 11:30:16.76 ID:NMRpKHbs0
最後に銃声が響いてから４０分程経った。
どこにいるのか、梟らしき鳥の声だけが、闇の中に不気味に響く。

南に向けて歩いている２人の少年の内、大柄な方が突如足を止めた。
夜空を見上げ、周りを見渡した。
不審に思った小柄な少年が、大柄な少年に駆け寄った。

「…何かあったか、コウ」

大柄な少年――八尋幸太郎（男子十八番）は、首を横に振った。

「…なぁんにも。
　なんか…声がした気がしたからさ」

小柄な少年――紫垣靖隆（男子八番）の顔つきが変わった。
普段から寄りっ放しの眉間の皺を一層深く刻み、グリップから見て左右の長さがそう変わらない小型のマシンガン、ウージーピストルを両手で構えた。

「どっちだ？」

「なんもないって、ヤス。
　気のせい…だよ」

靖隆が大きいが鋭い瞳で幸太郎を睨んだ。

「なんだよ、それ」

「だって、もういないんでしょ？
　…イッキは」

靖隆は一瞬目を見開いた。
幸太郎が口にした名前、イッキこと林一紀（男子十五番）は、このプログラムが始まって間もなく命を落とした。
仲間であるはずの政井威光（男子十六番）に撃たれたのだ。
それを、幸太郎も靖隆も目の前で見ている。
一紀の声なんて、聞こえるはずがない。

「今更だけど、嘘みたい…イッキのことも、タケがやったことも…」

幸太郎は両手で顔を覆った。

ほら、こうやって視界を閉ざすと、聞こえてくる。
イッキの声が、耳から離れない。
俺たちを護ってくれたイッキの叫び声が、耳鳴りみたいに響くんだ。

仲間がいなくなるなんて、未だに信じられない。
仲間が人を[ﾋﾟｰｰｰ]なんて、未だに信じられない。
全て、夢の中の出来事のようだ。

「…少し休もうぜ。
　気ぃ張りっ放しだからな、疲れてんだよ、コウ」

幸太郎は両手を離し、視界を開いた。
靖隆の心配そうな顔が目に入った。
幸太郎は疲れてはいるが人懐こい笑みを浮かべた。

「そうかも。
　だからかな、さっきから頭が働かなくてさぁ…」

「安心しろ、そりゃ元からだ」

「うわ、ヤス酷っ！
　まぁいいや、休もう！」

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

1002Res/665.75 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ