過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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461:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/07(木) 12:16:10.79 ID:NMRpKHbs0
威光の嘲りに、教室のあちこちから笑いが起こる。
心配する視線もあるが、馬鹿にされるのはいつものことで、静眞もいつも頑張って笑みを浮かべて平謝りするので、威光の嘲りは冗談交じりだと思われているのだろう、誰も威光を諌めない。
明らかな苛めには積極的に介入する三枝妃（女子六番）や相模夕姫（女子七番）も、軽く注意を促す程度だ。

「楪、保健室に行くなら早く行けば？
　お前のせいで授業が中断してるの、理解してくれない？
　俺の貴重な時間を無駄にしてほしくないんだけど」

評議委員の酒井真澄（男子六番）が冷たく言い放った。
「出た出た、酒井委員長様の“上から目線”」「何様だっつーの、ムカつく」と、静眞の後ろに座っている浦原舞（女子二番）とその隣の柳田裕華（女子十九番）の声が聞こえ、真澄が２人を睨んでいた。

とにかく、静眞は席を立った。
心配する国語教師に「１人で行けます」と告げ、教室を出た。

いつものことだが、情けなくて仕方がない。
馬鹿にされ、邪見にされてばかりの自分。
どうしてこんなに弱い体で生まれてきたのか、親を恨まずにいられない。

階段を降りようとした時、足がもつれた。

落ちる…ッ！！

思わず目を閉じた。

その時、後ろから急に引っ張られ、静眞は尻餅をついた。
尻は痛かったが、階段から落ちずに済んだ。
静眞は高鳴る心臓を深呼吸でどうにか落ち着かせ、ゆっくりと振り返った。

「く…久瀬さん…？」

校則破りの桃色のブラウスとハイソックス、それが良く似合う柔らかく穏やかな顔立ちをしたゆかりが、そこにいた。
ゆかりはほっと溜息を吐き、優しい笑みを浮かべた。

「よかったぁ…危なかったね、楪くん。
　無理しちゃ駄目よ、ほら、あたしに掴まって？」

ゆかりが差し伸べた手を、静眞は取った。
女の子に支えられるなんて情けなかったが、体がだるくて１人では立ち上がれなかったので仕方がなかった。

「久瀬さん…ごめん」

「いいのいいの、気にしないで」

崩壊しかけている授業とはいえ、ゆかりは真面目に受けている方なのに、わざわざ自分なんかのために抜けてきてくれたのだ。
与えられた仕事すらろくにできない自分なんかのために。

「久瀬さんに本当に申し訳ないよ…
　僕、保健委員なのに、いつも仕事ほとんどできなくて…
　政井君たちの言う通り、保健室に行くのが仕事みたいになってて…」

「あまり気にしない方がいいよ、あの人たちの言うことなんか。
　ああやって人をからかうのが好きなんだから…
　悪口に負けちゃ駄目だからね、楪くん」

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