過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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465:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/07(木) 12:38:10.02 ID:NMRpKHbs0
そのゆかりは、誰もが予想をしていなかった非業の最期を遂げた。
芝崎務（担任）が放った弾丸が、静眞の横を通り抜け、静眞の後ろにいたゆかりの頭部を穿ったのだ。

寺内紅緒（女子十番）らが騒いだ後も暫く何が起こったのか理解できず、頭の重い扉を開けてようやく真実を理解した後に激しい後悔に襲われた。
どうして、ゆかりが撃たれなければならなかったのだろう。
もし、あと少しだけでも、静眞の体が左側にあれば、ゆかりに当たる前に自分の頭部を穿っていただろうに。
盾になることができただろうに。

　

もう、生き続けられない。
友人の１人である邦幸は死に、もう１人の友人である米村直（男子二十番）とも共には生きられない。
優しさを与えてくれたゆかりもいない。
これ以上、迷惑ばかりかけてきた親の重荷にもなりたくない。

静眞は重い体を起こし、デイパックを見つめた。
あの中に入っている静眞に支給された武器、チェーンソーも、使う気はない。
こんなに重い物を振り回す体力もないし、これを木などにならともかく人相手に使うなんて考えられない。

誰かが僕を襲ってくるなら、僕は抵抗しないようにしよう…

そう、決めた。
最初に入ってきた人に、大人しく殺されようと思った。

静眞は、デイパックから視線を離し、保健室の扉に向けた。
擦りガラスの向こう、動く影が見えた。
間もなく、扉が開かれた。

…あなたが来るのは…ちょっと予想してなかった…

白いリボンで飾られたツインテール、見慣れない白い制服、白いブーツ――それら全ての所々に赤黒い斑点が付いている、恐らく誰かの血液だ――、小柄で愛らしく、それが逆に恐ろしい少女が、目の前に立っていた。

「君の名前はぁ…ユズリハシズマくん…だったかなぁ？」

「…何で知ってる…んですか？
　特別参加者の…篠宮さん…でしたっけ？」

少女――篠宮未琴（特別参加者）は、無邪気な笑みを浮かべた。

「珍しい名前だもん、結構最初の方に覚えたんだぁ。
　色も白くて、羨ましいなぁと思ったんだよねぇ…」

未琴は、右手に握られたスローイングナイフをちらつかせた。

「白い色に、赤って…映えるんだよねぇ…」

先ほどまでの笑みに、毒が含まれた。
静眞はごくりと唾を飲み込んだ。
死を覚悟していたが、それと今静眞を支配する恐怖とは別問題だ。
体が無意識のうちに逃げの姿勢を取っていた。

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