過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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641:１ ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/03/08(金) 03:21:24.15 ID:twgEbfXeo

ウヴァ「ふん、こんな奴に梃子摺っていたなんてな」

淡「っ……！　ぅ、ぁ……」

　吐き捨てて、手を杖に立ち上がろうとしているゼロノスの背中を踏み潰す。
　あの時、腹を撃ち抜かれた借り。
　こんなもので返せるとは思わないが――いい気味だ。

　そう笑うウヴァの元へ――。

　――《ＣＲＡＮＥ　ＡＲＭ》！

　痛烈な一撃がお見舞いされた。
　薙ぎ払われるように繰り出された攻撃。クレーンのワイヤーがしなり、ウヴァの横腹を強かに打った。

　声を上げる間もない。
　そのまま、引き戻されたクレーンがウヴァの胴体を掴み――

憧「調子、乗ってんじゃないわよ――――！」

　岩目掛けて、叩きつけようとした。
　だがそれを、カザリが止めた。
　ウヴァごと、憧に突風を見舞う事によって。

　咄嗟に背部のカッターウィングで空を切り、右腕のクレーンアームを盾にする。

　それでも、その風は痛烈だ。
　黄色い暴風が、バースのアーマー越しに憧の身体を苛める。

憧（……ッ、これ）

憧（どうするのよ、ホントに……！）

　味方二名は殆ど戦闘不能に近く。
　対する相手は、いまだ健在のグリード三体。
　それに、百体に近い雑兵の群れ。

　先ほどから適宜打撃を加えてはいるが、一向に通じた様子はなく。
　不死者の如き緩慢さと鈍感さで、身を起こしては向かってくる。

　まるで、昔見たゾンビ映画だ。

　結局その時は怖くて最後までは見れなかったが、のちに訊く話によればヒーローが到着。
　そしてヒロインは助け出されて、二人で街を脱出したらしいが……。

　ここは、そんな御伽噺ではない。
　都合よく助けに来るヒーローなんて、存在しないだろう。

　このまま行けば。

　取り囲まれて、装甲を無理やりに引きずり剥がれて。
　そして物量で圧殺される。
　変身を解かれて、五体を引きちぎられる。

　そう考えると、脚が竦んだ。
　そんな最悪の想像。心が立ち上がるのを止めようとする。
　だってきっと、このままなら。

　そんな想像は――現実となってしまうのだから。

憧（……あと、あと２００枚――いや）

憧（せめて後１００枚あったら、サソリが使えるのに……）

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