過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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798:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/03/08(金) 09:39:50.94 ID:eXxZahjZ0
妃はほっと胸を撫で下ろした。
今の今まですっかり忘れていたが、家族は無事らしい。
もしかしたら怪我はしているかもしれないけれど。

　

５分が経過し、荷物の整理の時間が終わった。
全員の机の上には、学校指定の鞄。
まるで、今から帰りのＨＲをして、家に帰る時の光景。
だけど、違う。
外に出れば、死神が手招きする戦場なのだ。

「それでは、これより１人ずつ、２分おきに出発してもらいます」

滝川はそう言うと、内ポケットから茶封筒を取り出し、封を切った。
中から１枚の紙が出てきた。
それをじっと見つめ、滝川は妖艶に微笑んだ。

「男子三番・植本邦幸君…貴方から出発です」

全員の視線が、先程逃げようとしていた、悪く言えばゆかりが射殺される原因となった植本邦幸（男子三番）に集まった。
邦幸は顔を青ざめさせた。
薄い唇をぶるぶると震わせ、怯えた瞳で滝川を見ていた。

「順番は、植本君から、男女総合の名前順です。
　だから、植本君の次は浦原さん、江南さん、川西さん、北君…となります。
　最後の米村君までいくと、最初の秋庭君に戻ります。
　磯田さんの出発後、木下君、篠宮さんとなります。
　篠宮さんが出発してから２０分後に、このエリアは禁止エリアとなります。
　いつまでもこの辺をうろうろしないように、気を付けてください。

　じゃあ、男子三番・植本邦幸君」

もう一度名前を呼ばれると、邦幸は体を震わせながらよろよろと立ち上がった。
鞄を抱き、ゆっくりと前に進んだ。
教室の前まで出ると、滝川に止められた。

「じゃあ、植本君。
　私の言うことを繰り返してちょうだい。
　みんなにも言ってもらうので、覚えておいてくださいね。
　“僕たちは殺し合いをする”、“殺らなきゃ殺られる”…はい？」

「ぼ…ぼぼ…僕たちは、こ、殺し合いを…する…
　や、殺らなきゃ…殺られる…ッ」

邦幸は声を震わせ、涙声で繰り返した。
気弱な喋り方は、いつも池埜多丞（男子二番）や政井威光（男子十六番）を苛立たせ、苛められる原因となっていたが、さすがに今は仕方が無い。

「さっさと行け！」

野田にデイパックを渡されて怒鳴られた邦幸は、後ずさりして廊下まで出ると、廊下にいるらしい別の人にまで怒鳴られ、走って行った。

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