過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】　京太郎「……変、身ッ！」　１０クール目【仮面ライダー】

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866:１ ◆B6xkwd67zxGJ[saga]
2013/03/08(金) 21:28:16.63 ID:SwuCmsYao
>>745の判定：「……変、身」　《ＮＡＺＣＡ》！

　須賀京太郎が、そう考えていた――その時であった。
　京太郎たちが突撃して来たその方向から、迫る人影。
　顔の片側――片目だけを覗かせたマスクをつけた男。

　内木一太――ナスカだった。

京太郎「あんた、なんで……！」

一太「僕は今更、善人面なんてできないし……するつもりもないが」

一太「それでも、受けた借りの分は返しておかないと」

一太「変、身……！」

　そう言い放つと、内木一太は握りしめ、スイッチを叩く。

　――《ＮＡＺＣＡ》。

　腰に装着した、先ほどのドライバーに挿入。
　エネルギーが充填される音を耳に、スロットを横倒しに開く。

　――《ＮＡＺＣＡ》。

　再び、メモリが叫びを上げた。それは産声だった。
　一度は人として死に、死人として歩いていた男の産声。
　消しきれない罪を背負ってなお、それでも炎の中から再び己を取り戻した男は誕生を果たした。

　上がる呱々の声。地球が呼応した。
　浮かび上がるＮのヴィジョンと共に、集積する風の群れ。ある種の暴風が、その場を支配する。
　誰もが怯んだ。怪人も、ライダーも、草も花も木も区別なく。
　閉じかけていた花が開いた。草がこうべを垂れた。樹木が嘶いた。石はその身を砕き、雲は引きちぎれる。
　力の奔流が、場を吹き抜ける。竜巻が巻き起こり、一太の体を包み込む。
　砕けた地面の破片すらも巻き込んで、空色の渦が空気を破って生まれる、哮り声。

　やがて――嵐の収束と共に、一太の首筋から二条のマフラーが。
　ボディの晴れ間の空色が夕日に変わっていくがごときグラデーションのマフラー。翼を思わせるそれ。
　騎士甲冑じみたマッシブな肉体。兜のようなバイザーとホーン。
　怒りを湛えた真っ赤な複眼と、悲しみを表す黒いライン。

　これが、生まれ変わった内木一太の姿だった。
　その名は――

一太「それでも……今だけ、処刑人ナスカじゃなくて」

一太「――仮面ライダーナスカとして戦わせて貰う」

　そして剣を構えて飛び立った内木一太＝仮面ライダーナスカは、京太郎の隣に降り立った。

　やはり、感じる。
　あれほどまでに消耗していてなおも、この男は須賀京太郎よりも上の技術を持っている――強いと。

一太「事情は分からないが、君が戦うなら僕はそれを手伝う」

一太「決着をつけるのなら、周りの相手はするし――そうでないなら、君と共に戦う」

一太「どうする？」

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